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» 2010年03月05日 16時00分 UPDATE

樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」:英語は度胸、度胸は自信

語学はあくまで道具。どんな道具でも、使い慣れないとよい仕事はできないものだ。

[樋口健夫,Business Media 誠]

 就活に勝つためのひとつの方法は、自信と交渉のための英語力を身に付けることだろう。いまだに、日本人の語学力は国際水準と比べて非常に低い。ということは語学力に自信があれば、仕事を選ぶのにそれだけ有利だ。これは今も昔も変わっていないはずだ。

「語学という道具」を磨く

 学生時代、石炭船に乗せてもらえてオーストラリアに行けることになり、現地の大学にも入学できたことは以前書いた。こうした日々の中で身に付いたのは、英語で相手と交渉し、相談し、気持ちを通じさせる力だ。わたしは、ある程度の自信と度胸を手に入れたのだ。

 帰国後、大阪外大を卒業し、三井物産に入社した。3年目からアフリカや中近東に海外駐在したときに、学生時代に留学していて良かったとつくづく思った。

 個人的な感想だが、語学はあくまで道具。だが、どんな道具でも使い慣れないとよい仕事はできない。外大の英語学科を卒業して、語学を道具として、海外で仕事をしてきた者からみると、日本では語学ができればやはり就活には有利だ。特に英語力を十分に付ければ効果があるし、英語堪能の上に中国語まで勉強していたら、評価はさらに確実なものになるだろう。

 技術者で語学が強ければ、もうこれは鬼に金棒で、どんな大学であれ就活では非常に強い。英語は知識や勉強から入るよりも、まず実際に使うこと。英語圏の国にある程度長期間滞在して留学したり仕事をしたりすれば、自信も度胸も付く。

 自信や度胸が付いたら、今度は腰をすえて単語のスペルも、英文の読解も、日本語を英語に直すことも、練習すればよい。まずはゆっくりでも英語を堂々と話せるようにすることが大事だ。

「英語を話すしかない環境」に身を置け

 そうはいっても現状で自分の英語力に不安があるという人は、わたしがカナダのバンクーバーで見たパシフィックゲートウェイ国際学校(Pacific Gateway International College)という英会話学校のやり方が参考になるかもしれない。ここでは、学内だけでなく学校がある周りのブロックでも、英語しか話してはいけないことになっている。

 英語が不得意な人は最初はとまどうに違いないが、「ええい、ケセラセラだ(=なるようになれ)」という開き直りが大切で、ブロークンイングリッシュでもいいから使いだすと、これがけっこう通じるのだ。最悪の場合は筆談、辞書見せ、ジェスチャー、なんでも使えばよい。とにかく通じた体験がまったくない人が、一度でも通じる経験を得ると、これは大きな自信が付くものだ。

 ちなみにパシフィックゲートウェイ国際学校の学長はサミー高橋という人で、自分自身がアメリカに一人で留学し、語学を独力で習得されただけに、語学で苦しんでいる学生や社会人たちの心がよく分かるという。著書『きっと君にもできる! 英語で夢をつかんだ私の生き方』をわたしも一読したが、こちらもなかなか面白い。

就活浪人するくらいなら……

 わたしのように日本の大学を休学したとしても、後の人生を見た場合、留学には十分に値打がある。数カ月から半年間の語学学校でも効果はある。交渉次第では、日本の大学の単位に組み込める場合もある。

 国内で就活浪人するくらいなら、とにかく今の円高を最大限利用して、海外留学に出ていくことをお勧めする。注意しておくが、円高で就活浪人だからと言って、休学して数年間ぶらぶらと海外に出て、文無しの漫遊の旅を続けることがどのような影響をもたらすかは、わたしには分からない。アメリカでミリオネアになる人もいれば、精神的な打撃や負債を抱えて帰り刀折れ矢尽きて戻ってくる人もいる。帰国後も、その海外滞在を十分に評価されない人もいる。

 とはいえ、語学は何と言っても慣れだ。やってみなければ何も始まらない。がんばれ、就活生!

今回の教訓

 男も女も、英語は度胸――。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。近著は「仕事ができる人のアイデアマラソン企画術」(ソニーマガジンズ)「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちらアイデアマラソン研究所はこちら



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