連載
» 2010年03月12日 14時28分 UPDATE

ツール de オシゴト:チーム内コミュニケーションに使える19のWebサービスまとめ

メールに代わるコミュニケーションツールを紹介してきた「ツール de オシゴト」。最終回はこれまで紹介してきた19のWebサービスをまとめて振り返る。

[後藤康成,Business Media 誠]

連載「ツール de オシゴト」とは

 メール以外のコミュニケーションツールやコラボレーションツールを模索する新連載「ツール de オシゴト」。主人公のマコトは、1日100通を超えるメールを受信する広告代理店のビジネスパーソンだ。メールが埋もれて見逃すことも数回。過去のメールを検索するのに時間がかかってイライラすることもある。そこで、メールに代わるコミュニケーションが簡単に管理できるコラボレーションツールを模索する。

前回までのあらすじ

 社外メンバーを含めたプロジェクトチームで使えるコミュニケーションツールとして、Twitterのような「Yammer」や話題の「Google Wave」を試したマコトたち。SkyDriveやquanp、Backpackなどのオンラインストレージに関する情報も収集できた。その結果、機能面では「feedpath Rooms」が今回のプロジェクトに最も合っているようだ。コスト面での基準もクリアし、最後の課題はただ1つ、セキュリティ要件だ。


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 プロジェクトで使うコミュニケーションツール導入に当たり、残る課題はセキュリティとサービスレベルだけとなった。

 マコトは早速SaaS型サービスのセキュリティについてネットで調査を行うことにした。セキュリティに関しては、以前クライアントの坂本さんから「アカウントパスワードの管理」と「メッセージやデータの暗号化」を条件とされている。

 数時間かけて調べたところ、Webサービスのセキュリティはサーバルームへの入退室管理などの「物理セキュリティ」、ハッキング対策などの「ネットワークセキュリティ」と「アプリケーションセキュリティ」、さらにはパスワード管理などの「運用セキュリティ」に分けられるようである。もちろん、プロジェクトの機密性によっては、より強度の高いセキュリティが要求される。

 マコトは今回のプロジェクトで導入する場合のセキュリティ要件とサービスのセキュリティについて、feedpath Roomsを導入した場合を想定して整理し、坂本さんに打診してみることにした。

マコト 坂本さん。以前お話ししたコミュニケーションツールの件ですが、選定がほぼ終了しました。うちの土方とも相談し、最後に坂本さんに確認を取っておきたいのがセキュリティ要件です。

坂本 いよいよ導入するんだね。それではマコト君の考えるセキュリティ要件を聞かせてくれ。

マコト はい。まずセキュリティ要件は、弊社も御社も事業レベルの情報のやりとりであり、機密性よりも利便性を重視したいと考えています。

坂本 うん。問題ない。もし情報が何らかの形で漏えいしたとしても、影響は限定的で僕の会社の機密情報が漏れることはない。僕も利便性を重視したいと考えている。

マコト 提供されるセキュリティについてサービスプロバイダに問い合わせてみたところ、以下の回答がありました。僕としては問題ないと考えています。

  1. 物理セキュリティは国内のデータセンターで厳重な入退出管理が行われており、ネットワークのセキュリティ、アプリケーションのセキュリティはサービスプロバイダにより保証されている。
  2. アカウントやパスワード、メッセージ、データはすべてSSLで暗号化された通信でやり取りされる。
  3. 24時間/365日、有人によるネットワーク、サーバ監視が行われる。
  4. バックアップは毎日行われる。

坂本 クラウドサービスでは一般的なセキュリティレベルで、十分だと思うよ。マコト君、この要件で最終選定をしてもらって構わない。進めてくれ。

マコト ありがとうございます。それでは進めさせていただきます。

 上司とクライアントからのOKをもらい、これでとりあえずは一安心だ。


 マコトはこの数週間の調査で、企業間コラボレーションツールの現状について多くの知識を得た。

 「Yammer」や「Google Wave」のように話題のツールも使ってみたし、個人向けを含むオンラインストレージもずいぶん試してみた。サービスの選定には避けて通れないコストの相場やセキュリティに関しても学ぶことができた。

 ――このプロジェクト、必ず成功させるぞ。ツール選定のため集めた資料を整理しながら、マコトは一人、口に出してそうつぶやいてみた。(おわり)

連載中で紹介したツール一覧(順不同) 概要
Yammer 企業向けのTwitterライクな社内コミュニケーションツール。ファイアウォールの内側にある企業内サーバにインストールする。登録者同士のメッセージはもちろん、過去やり取りされたメッセージを参照することが可能。
Twitter ブログとチャットの中間のようなサービスで、140文字以内の短いつぶやきを入力して、みんなで共有するサービス。気軽にフォローしたりフォローし返したりすることで繋がりができる。
Google Wave グーグルが2009年に発表した、メッセージングおよびコラボレーションのための新しいプラットフォーム。メール、インスタントメッセンジャー、ブログ、Wikiなどの機能を統合したサービス。
Basecamp アポイントメント、メッセージング、ファイル共有、ToDo、マイルストーンなどの機能を統合したプロジェクト管理ツール。米国の37Signalsが提供しており、日本語版は用意していない。
Gmail ご存じGoogleのWebメールサービス。ビジネス向けGmailは1ユーザーあたり25Gバイトのディスクスペースを利用できる。
Google カレンダー Gmailと連係し、予定の管理、スケジューリング、共有オンラインカレンダー、携帯端末カレンダーとの同期などの機能を利用できる。
Fresh Meeting サイドフィードが提供しているサービスで、パッケージ版とASP版の2つのタイプを用意している。会議室ごとに時系列でメッセージを整理できるほか、ファイル共有も可能。携帯電話にも対応し、1ユーザーあたり月額500円。
サイボウズOffice for SaaS 「サイボウズ Office 8」の機能はそのままに、サーバを用意することなく素早く使うことができるサービス。
feedpath Calendar フィードパスが提供する、ビジネスユーザー向けクラウド型グループカレンダーサービス。携帯電話、スマートフォンなどのモバイルデバイスからの利用も可能。
feedpath Rooms メールに代わるプロジェクトコミュニケーションツール。社内外におけるプロジェクトでメッセージとファイルを共有でき、そのやりとりを1カ所で管理できる。ストレージ容量は20Gバイト。
feedpath Mail 従業員すべてのメール送受信を蓄積し検索可能など、監査機能に優れたWebメール。
Dropbox 複数のPC(Mac含む)やiPhoneでデータを同期できるオンラインストレージ。ファイル共有機能も備えている。
MobileMe Appleのデータ同期サービス。ストレージ容量は20Gバイトで共有も可能。
quanp リコーが運営しており、Webブラウザやクライアントソフト、携帯電話など複数のデバイスからファイルの閲覧とアップロードが可能。
SkyDrive マイクロソフトのオンラインストレージ。無料で25Gバイトまで利用できるのが魅力。
Backpack 米37Signalsの提供するサービス。グループカレンダー、メッセージング、共有ストレージ機能を備えている。月額99ドルで20Gバイトの共有ストレージ利用が可能。
Spotlight Mac OS X標準のデスクトップサーチ機能。ファイル、フォルダ、文書から、メールのメッセージ、アドレスブックの連絡先、iCalカレンダー、システム環境設定の項目、アプリケーション、さらには辞書の定義まで検索できる。
Windowsサーチ Microsoftの提供するデスクトップサーチ機能。Windows 7では、外付けHDD、ネットワークPCやライブラリについても検索できる。
Googleデスクトップ Googleの提供するデスクトップサーチアプリケーション。Googleのウェブ検索と同じくらい簡単に、自分のメール、ファイル、音楽、写真などを検索できる。

筆者紹介:後藤康成(ごとう・やすなり)

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 フィードパスCTO兼feedpath Rooms エバンジェリスト。シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。技術開発担当取締役としてネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。

 2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。Zimbraの日本市場展開、ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当するとともに、メールに変わる次世代企業間コラボレーションツールのfeedpath Roomsのエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントはfeedpath。


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