iPadでの利用を拡大していく上での課題は、iPadはまだ個人販売が中心なので、法人導入が進んでいないということ。また、ネットに接続するための通信料も問題となる。そして、iPad用インタフェースはiTunes Storeを通してアプリで提供するため、随時アップロードされない可能性もある。
ただ、坂本氏は「iPadのポテンシャルを信じている」と話す。iPhoneは従来の携帯電話に比べて画面が広くて視認性が高いことから、特に経営層が導入に積極的なようで、同社の顧客約250社のうち100社程度がオプションとして採用しているとのこと。より利便性が高まるiPadに関しても、ある程度の需要は期待できそうだ。
iPadでは現在、CACHATTOを使って社内データにアクセスしようとすると、iPhoneアプリの「CACHATTO SecureBrowser」で見るか、PC用インタフェースをSafariブラウザで見るかしかできないが、7月ころまでにCACHATTO SecureBrowserのiPadアプリも開発するという。同社技術グループの小泉順一氏は「iPadアプリではボタンを大きくしたり、押し間違えないようにボタンの間隔を調整したりして、利便性を向上させています」と話す。
iPadのビジネス利用について、坂本氏はどう考えているのだろうか。「インドで手で食事している様子を見ると、最初は『えっ』と思うのですが、(実際に手で食べることに)慣れてくると原始的な喜びがあっていいんです。PCでもマウスは箸と同じで、実はハードルが高いので慣れない人は使えません。手で直接操作するiPadは、箸をある日捨てて、手で食べたような感覚と同じものがある。これから気になる人が増えるように思いますね」(坂本氏)
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