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» 2010年06月23日 13時23分 UPDATE

結果を出して定時に帰る時短仕事術:時間ではなく、価値観を管理せよ

年々忙しくなるのに、給料は減っている――。そんな思いに駆られたことはないでしょうか。業務効率も必死で改善しているのに一向に改善しない。もしかしたら、顧客が求める「本当の価値」を見失っているのかもしれません。

[永田豊志,Business Media 誠]

 仕事が忙しくなっているにもかかわらず、会社の利益が出ない、給与が上がらないというケースが増えています。例えば、インターネットの黎明(れいめい)期に、わたしが大手Webサイト制作会社からサイト製作費の見積もりをとった時には、5000万円でした!

 しかし、サイトを構築するソフトウェアやサービスが普及し、誰でも作れるようになると、サイト制作費は瞬く間に安くなりました。現在は5万円で制作するサービスもあります。これは、まさに「スキル価値」の超デフレです。

 スキル価値が急低下する一方で、顧客の要望は高くなっていきます。提供しなければならない機能も増え、サポートにも手間がかかります。つまり年々忙しくなるのに、利益は減っているという現象に陥るのです。

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業務効率化では乗り切れない――「価値のマネジメント」が本当の時間管理

 これは景気のせいばかりではないのです。世の中が総フラットにつながり、あらゆる情報サービスが無料で提供される世の中において、商売の地図が大きく変わってしまったからです。昨年まで元気だった産業や稼げた職業が、突然死する可能性が高い世界になっています。

 こうした状況では、業務の効率化は根本的な解決になりません。もちろん、やらないよりはマシですが、延命措置程度の効果しかありません。

 本当にやらなければならないのは、「顧客が求めている本当の価値とは何か?」を再検討すること。「競合が増え、低価格競争になった時」「自動化が当たり前になって、人による作業が競争力を失った時」こそ、新しい価値を創造する必要があります。つまり、このケースも「時間管理の問題」と見せかけて、実は「価値管理の問題」なのです。

st_jitan02.jpg 商売というのは、商品やサービスに対してお金をもらうのではなく、提供する価値の大きさに応じて、お金をもらうもの。あなたは、お客様にどれほどの価値を提供していますか?

 時間をコントロールする前に、見直すべきは「価値」です。何のために、どのようなことを実現したくて、どのような活動が必要で、それに対して、どのくらい時間を割り当てるか、というマネジメントです。

 価値を見つめ直し、「自分にとっても、自分が大切にしたい人にとっても共通した価値」を見いだし、それを実現するために行動計画を練ることが、最短で最強の時間術につながっていきます。ですから、「仕事をとるか、家庭をとるか」なんて愚問だということです。

Value、Action、Timeの順で管理せよ

 つまり、幸せになるために、あるいは成功するために必要な時間術とは、次の順番で行われるべきなのです。

  1. Value:まず、自分にとっての価値あるものを決める
  2. Action:価値を実現するために必要な行動を決める
  3. Time:行動を残された時間で実現するための時間割を決め、実行する

 作業の効率化やToDo管理などは、この最後のステップ「Time」のことなのです。中には、「『価値』って、結局『目標やゴール』のことなんじゃない?」と思うかもしれません。しかし、目標やゴールがある時点での状態を表すのに比べ、価値というのは、「自分がこうありたい」状態を達成し、キープするための「羅針盤」です。言い換えると「人生の目的」。ですから、当然、価値観にそぐわないことはやるべきではありません。すべての行動は、自分の考える「価値」を指針に計画されるべきだからです。

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 すべての活動は直接的であろうと間接的であろうと、あるいは短期的であろうと、長期的であろうと、「自分の求める価値」につながっていないといけません。そのことが自分自身で理解できていないと、「自分はこんなことやっていてよいのだろうか」「時間の無駄ではないのか」などと悩んだり、意味もなく焦ったりするのです。

 そのためにも、それぞれの自分の活動が、どのように「求める価値」につながっているのかを「見える化」し、点検することをおすすめします。これができていれば、どんなに緊急性があるタスクが生じても、自分にとって重要でなければ「やらない」という選択をとる勇気が出てきます。

st_jitan04.jpg 今やっている活動に疑問を持ったら、自分の求める価値観とのつながりをチェックしてみましょう。直接的、あるいは間接的に価値につながっているのであれば、迷うことなく、活動に没頭できます。しかし、そうでなかった場合は、中止することも検討すべきです

すぐに成果が出ない活動こそ、ダイヤの原石

 もちろん、価値ある活動の中には、すぐに成果につながらないものもあります。例えば、語学の練習や資格の取得。これらが最終的にあなた自身に仕事のやりがいや経済的な成功をもたらすまでには、かなりの時間がかかることでしょう。

 こうした長期的視野に立って継続しなければならないタスクは、どうしてもやっている最中に萎えたり、モチベーションが低下して中断したりしがちです。そのためにも、自分の求める価値と各活動との関係は、事あるごとにチェックバックし、訂正や追加があれば、それを反映させるとよいでしょう。

 多くの人が語学の習得や資格取得のための勉強に挫折してしまうのは、すぐに成果が出ないからです。しかし、みんなが続けられなかったことをやり遂げれば、その分、希少性が高まり、あなたの成し遂げることの社会における価値を高めることができるのです。

集中連載「結果を出して定時に帰る時短仕事術」について

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 本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。

 残業ゼロで成果を倍増する仕事効率化術――。と言っても、単に効率化だけではダメ。人生の価値マネジメントから始めるタスク管理としくみ作りを実践しましょう。「ワークライフバランス」と言っても単に時間バランスだけとっても意味はありません。

 ビジネスパーソンは、顧客の要望を上回る成果を出しながらも、自分の時間をしっかり確保して、プライベートの充実と自分の付加価値を高めるための将来に向けた事故投資を両立する必要があります。

 本書は、しっかり結果を出しながらも、将来の自分価値を高めるための「時短仕事術」を紹介しています。人生の価値感管理から日常生活のタスク管理まで、生産性戦争に打ち勝つためのテクニック満載です。

  • 1時間目:残された時間を価値あるものに
  • 2時間目:仕事も人生もうまくいく! 理想の時間割
  • 3時間目:最少の労力で最大の成果を上げる知的生産の方程式
  • 4時間目:必ず目標を実現する! スケジュール&タスク管理術
  • 5時間目:集中力が劇的にアップする!すきまアクションとじっくりアクション
  • 6時間目:時短の達人が教える! 生産性を高める小さな習慣
  • 7時間目:ITを味方につけなければ、生産性戦争に勝てない!
  • 8時間目:最短で問題解決するための時短思考のツール
  • 9時間目:チームの生産性が飛躍的に高まる! 時短会議のススメ
  • 資料編:時短の達人になるためのチェックリスト

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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