数字はビジネスの共通言語です。グローバリゼーションが進み、言語の壁を越えてコミュニケーションするにも数字は重要です。数字は、主観的な説明に客観的な判断材料を与えます。大量の文章よりも、数字を使うことで少ない労力で、インパクトを与えることができます。
しかし、一方で与えられた数字をそのまま鵜呑みにするのは危険です。数字は、その表現方法の1つで、印象を自由自在に変えることができるからです。ですから、数字のトリックにだまされない、逆に数字のトリックを使いこなすくらいでなければいけません。
欧州の航空会社では年間4200万個の荷物がなくなるそうです。これを聞くと「えっ !! そんなに?」と思いますよね。しかし、全体に占める割合で考えると1.66%。まあ、微妙な数字です。数字の把握力を高めるには、こうした絶対値と相対値の変換は常に必要です。
また、数字はある時点での数字ですから、時系列での傾向を知ることも重要です。この旅客荷物の紛失は、前年比で800万個増ですから、状況はかなり悪化しているようです。また、これを航空会社別で個別比較すると英国航空はトルコ航空の6倍(!)も紛失率が高いことが分かります。
最後に単位の切り替えです。荷物の数を紛失荷物の損害賠償額で表すと、年間38億ドルにもなるそうです。こうなると企業の信頼喪失だけでなく、社会的な経済損失ですね。このように、同じ数字を視点を切り替えて把握すると、見えなかった事実と全体像が見えてくるのです。
本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。
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知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
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