インタビュー
» 2010年07月07日 09時00分 UPDATE

電書部の真実:電子書籍をフリマで対面販売する「電書部」が目指すものとは(前編) (3/3)

[山口真弘,Business Media 誠]
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PDFとかEPUBって、読者である場合は知らなくてもいい

誠 Biz.ID 技術的なお話についてですが、メールで送られてきたURLの中から、PDFやEPUBを各自で選んでダウンロードするという形式に行き着くまでいろいろと試行錯誤もあったと思うのですが、いかがですか。「買ったけど読めない」という不安を払拭するために最大限配慮してるように思えたのですが。

米光氏 買うスタイルが変わっちゃうので、そこは戸惑わせないように試行錯誤しました。新しいことなので分かりやすくしないといけない。ちょっとでも分かりにくいことがあると不安なんですよ。電書に興味がない人も来てほしいと思ってたんですね。「紙の本ならいいのにー」ぐらいな、内容がおもしろそうだから買いにくる人にも来てほしい。そうするとなるべくシンプルにしないといけない。PCで接続してデータを移動させるって手もあるけど、人の機械に何かを抜き差しするのって、やるほうもやられるほうも案外不安なんです。実際にやってみたんですけど、どうも感覚としてやりにくい。

誠 Biz.ID ケーブル直接続という販売スタイルも試したと聞いたのですが。

米光氏 そうです。実験的にやってみたんです。そうすると、例えばKindleだと、相手のそれまでに買った本のタイトルがこちらのPCから見えちゃう可能性もあるとか。抜き差しするときに案外怖いとか。壊しそうな感じもしちゃうんですよ。

誠 Biz.ID 確かに、そういったことはやってみなくちゃ分からないですよね。

米光氏 販売サイトも、買うシーンをテストでやってみたら代金をもらいづらいんですよ。送り先を聞いて本を選んで「送信」って押すと送られちゃう。代金をもらうタイミングがなくて、送った後におずおず「400円です」とか言いにくい。それは販売サイトで合計金額が最後にしか表示されなかったからなんです。なので本を選んだ瞬間、「送信」を押す前に合計金額を表示してくれと。それでようやく送る前に「400円です」って言えるようになった。


st_yo04a.jpgst_yo04b.jpg (左)「文学フリマ」に出店した時の様子。このブースで1453冊もの電子書籍を売り上げた(右)購入すると送られてくるメール。手持ちの端末に適したデータを自由にダウンロードできる

米光氏 PDFとかEPUBって、電書をやってれば知ってるけど、読者である場合は知らなくてもいいことなんですよね。というか知らない人はたくさんいる。だからそこもなるべく気にしなくてもいいように、シンプルに、シンプルにって。PCとiPadとiPhoneとkindleで読めますと。で、それぞれの持ってるモノで、それならこれで読んでくださいって決めウチにしてるんです。PDFって何? って分かんなくても読めるように。技術系の人は「いやこのデバイスならこの形式でも読めるし、これもいける。それをちゃんと全部書いておくべきだ」って言う人もいるんですけど、そうすると知らない人は混乱しちゃう。で、自分がもってるモノの名さえ分かれば、iPhone持ってるとか、PCなら持ってるって分かれば、迷うことないようにしよう、と。

後編に続く

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