「こんなことやってて大丈夫なのか?」「もう、面倒くさいからいいや」と投げだしたくなることもありますよね。そんな時に、わたしは「将来の成功した自分」や「死ぬ間際の自分」をイメージしながら“相談”してみるのです。
日々、将来に向けて勉強や仕事などに取り組んでいると、「こんなことやってて大丈夫なのか?」「もう、面倒くさいからいいや」と投げだしたくなることもありますね。
そんな時に、わたし自身がやっている習慣、それは「将来の自分と相談してみる」ということです。なんだか、SF映画のワンシーンみたいですが、どのような相談をしているのかというと、
こんな相談です。もちろん、信頼できる知人や師に助言を仰ぐのもよいのですが、所詮、自分のことは自分で決定しなければならない。
そこで、わたしは「将来の成功した自分」や「死ぬ間際の自分」をイメージしながら、こうした質問をしてみるんです。すると、将来の自分はすでに成功したか、あるいは死ぬ間際で「怖い」という意識のない自分ですから、「あの時、頑張ってやりぬいたから今の自分があるんだよ」とか「失敗しても死ぬわけじゃないし、やらなかったことを死ぬ時に絶対後悔するぜ」とか言ってくれるわけです。
生涯を振り返ってみた時に、少しくらい辛い時期があったからといって、それ自体を後悔する人なんていません。多くの場合、そうした苦難の道も成功した人にとっては、とても懐かしい想い出なのです。だから将来の自分は、ポジティブでアグレッシブな助言をくれるのです。
ほとんどの人は、過去の蓄積のもとに今の自分を生きています。過去の経験で得られたよい結果と悪い結果が、IRA(本能反射領域)と呼ばれる、コントロールできない脳の領域にしっかりこびりついており、将来の判断を行う時に、それらが知らず知らずのうちに、大きく影響しているらしいです。理性や論理だけでは、コントロールできない領域です。
しかし、限定された経験値が将来を正しく判断できるはずもありません。よい経験は、何でも積極的にやってみようという気にさせますし、悪い経験は、失敗したらどうしようという不安を駆り立てます。
だから、過去から構成されてしまっている今の自分ではなく、そこから解き放たれた将来の自分と向き合うのです。
今の自分にとっては「大変な1年」も、死ぬ間際の自分にとっては、一瞬の出来事にしか映らないかもしれません。恐怖を超越した存在である将来の自分を、今の自分の協力者として活用してはどうでしょう?
本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。
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知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
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