仕事以外で見ていたら問題だけど……中国下着サイトもブックマーク、三愛・和田社長社長のブックマーク教えてください!

そのWebサイトをブックマークした時、どんな人生の岐路に立っていたのか。ブライツコンサルティングの高津竜司社長がビジネスの達人たちに聞く連載。初回は、三愛・和田敬三社長のブックマークを聞いた。

» 2010年10月07日 08時30分 公開
[聞き手:高津竜司,Business Media 誠]
ブライツコンサルティングの高津社長

 「これは1つの入り口なんだ」(ブライツコンサルティングの高津竜司社長)――。普段何気なく利用するWebブラウザのブックマーク。今ではソーシャルブックマークや検索エンジンが進化してブラウザへのブックマークは減っているかもしれない。

 だが、本当に気になるページはブックマークするはず。そして折に触れ、ブックマーク先のページを訪れるのではないだろうか。そんなネットへの入り口として、どんなWebページをブックマークしたのか。

 ブックマークした時、どんな人生の岐路に立っていたのか。ブライツコンサルティングの高津竜司社長がビジネスの達人たちに聞く連載。初回は、三愛・和田敬三社長のブックマークを聞いた。(以下敬称略)

なぜ今ブックマークか

 わたし(高津)の祖父は、海水魚の養殖業を営んでいました。少年のころ祖父から「今、生きているのは、ご先祖様たちのイマジネーション(想像)とクリエーション(創造)があったからなんだよ」と聞かされて育ちました。大人になってからもその言葉は忘れられず「前の世代の人達はどんなイマジネーションをしたんだろう。自分はどんなクリエーションをしなくてはいけないのだろう」とよく考えていました。

 特に経営やトレンドの最前線にいる人にイマジネーションの方法やどこで情報収集を行っているのかに興味がありました。Googleでの検索内容は、毎日変わっていきます。けれど、ブックマークしたサイトは何度も訪れます。ブックマークには未来へのイマジネーションとクリエーションのヒントが隠されているのではないでしょうか。


三愛の和田社長

高津 和田社長は1993年ごろからインターネットを活用しているとのことですが、現在使っているWebブラウザとブックマークしているWebページを教えてください。

和田 ブラウザはInternet Explorerを使っています。お気に入りには友人や知人のサイトがいくつか入っていますが、よく使うのは、MSNGoogleです。MSNは自宅でニュースを読みます。キーワード検索をする時はGoogleが多いです。それから祝電を送るサイト「ハート電報」もよく使います。

高津 このハート電報はバンダイナムコグループのアートプレストさんが運営されているものですね。


和田 いろいろとバリエーションがあり、ほかの電報サービスよりも安価で素敵な物が送れるようです。知人の結婚式や事務所の開設、お店の出店などパーソナルな時はこちらを使っています。

高津 次のサイトは、下着専門店ですか。

和田 グージンという中国の下着メーカーの専門サイト(中国語)です。当社も下着を販売していますので、中国の下着販売も参考にしています。仕事以外でこういうサイトを見ていたら問題ですが(笑)。

高津 マーケットとしての中国はどうなんでしょう。

和田 中国を意識し始めたのは2009年の秋ごろです。中国語で通販サイトを開設しているので参考にしています。


フラワーデザイナー・森美桜子さんに作ってもらったというお花

和田 次が森美桜子さんという素敵なフラワーデザイナーで、この花を作ってくれた人です。

高津 この方はご友人だったんですか?

和田 そうです。以前にもイベントの飾りつけなどで何度かお仕事をさせていただきました。いつかビジネスでコラボできないかなと考えています。ビジネスパートナーとしても素敵な人です。

高津 花がデザインされているところは御社っぽいですね。

情報は新聞と雑誌とメルマガからバランスよく、iPhoneも活用

高津 それから、毎日の情報をどのように得ているかを知りたいのですが、先ほどはGoogleを使うとおっしゃっていましたよね。Googleは自分で検索ワードを入力するので能動的と言えますが、受動的に情報を受け取るのはどうしていますか。

和田 基本的には新聞と雑誌です。社員や友人など周りの人達からもたくさんの情報をもらいます。中国の競合情報は現地のメールマガジンを読んだりしています。

高津 メールマガジンは何通ぐらい登録していますか。

和田 上海自治速報、自治速報上海便などです。数は多くありませんが、それでも全部は読み切れません。メールボックスの容量が数10Mバイトぐらいなので、読むとすぐに削除しています。重要なメールだけ別途保存するようにしています。

高津 わたしは1日1紙は読むようにしているんですけど、最近は新聞を読まない若者が増えています。情報もTwitterやFacebookなど自分の好きな情報しか見ないという話も良く聞きますが、食事で言ったら偏食状態ではないかと思います。

和田 それは気になっています。わたしも娘や息子によく新聞を読みなさいと言っているぐらいですから。

高津 和田社長は1日の中で新聞や雑誌を読む時間は決めていらっしゃいますか?

和田 必ず日経を読んでから出社しています。全部読むのに10分もかからないんですよ。最近、iPhoneで産経も読み始めました。

高津 iPhoneで産経新聞が読めるように、たくさんの情報が目に飛び込んでくるサイトを活用するのはいいですね。

和田 そうですね。目に入ってくることによって「あ、こんなことあるんだ」と世の中の出来事を知ることができます。新聞は今日のさまざまな情報を強制インプットできるし、週刊誌は今週のトレンドを把握できる。これらをセットで判断しなきゃいけないと思っています。

高津 わたしも新聞を読む習慣をつけないといけないなと思っているので、会社に来て早く読んでいます。

和田 僕が新入社員のころは、社長や部長に「今日の日経の一面は何だ」とよく聞かれました。そういう時代でした。「過去なくば未来はない」という言葉がありますが、過去、現在という時系列の中から未来をイマジネーションできれば、クリエイティブな発想にもつながります。新聞を読み続けていることはそういう力を蓄えることだと思うな。

高津おすすめブックマークは「Internet Archive」

高津 お話を聞いてぜひこのサイトを見てほしいのですが、実は全世界のWebの過去を保存している「Internet Archive」というサイトがあるんです。例えば、御社の10年前のサイト情報も見られるんです。これを見ていくと、どういう考えを経て今に至るのかが分かります。これはものすごい情報量だと思いますよ。

和田 これは便利ですね。変遷を見ていく上ではすごく面白い。ブックマークしておきます。

和田 過去があり、現在があり、未来につながるという意味では、わたしは自分自身の変遷はすべて分かるようにしています。必ずWordで自分の考えをまとめるようにしているんです。毎月の会議で、皆に話すメッセージをまとめるのもWordで書くんですよ。

 去年の今ごろ何を言っていたんだろうというのもWordのドキュメントなら後で検索できる。日々の思考を蓄積し温めておいて、将来の準備というか引出しを作っておくようにしてる。話をし、文字を見て思考をまとめていくのが好きなんでしょうね、だからWordに現在をまとめていく。自分の頭脳構造に合ったツールを組み合せて使うことが大事だと思います。

高津 自分の考え方のプロセスに合ったものを使うということですか。自分の頭の中がどのように思考していくかっていうことですね。

和田 人それぞれ違うと思うんです、頭の中の構造が。空間でとらえる人、音声がインスピレーションを与える人、いろいろだと思います。

高津 人それぞれの情報のとらえ方・収集の仕方があり、それぞれのアーカイブの残し方があるとういことですね。過去から現在、そして未来へと、イマジネーションを蓄積し、クリエーションを紡いでいく方法もさまざまであると。

和田 初めの話に戻るようですが、現在を自分なりのメディアを通して把握する。蓄積する。そうすることが、クリエイションをもたらし、次の世代へとつなげていくことなんじゃないかと思います。

編集Tのつぶやき

 「新聞を読み続けていることはそういう力を蓄えることだと思うな」には、古き良き時代を知っている先達はさすがおっしゃることが違うと脱帽です。僕も未来をイマジネーションできる新聞を毎日読みたいものです。

 InternetArchiveのWayBack Machineは1999年ごろ大変有名になったサイトです。1996年以降、インターネット上に存在していたHTMLファイルを保存してあり、インターネット創世期(一般的に利用され始めた、という意味で)の情報を探すことができる図書館のようなサイトなので、「そういえば昔、よく見ていたのになくなってしまった」サイトを探すには最適です。若いBiz.ID読者の中には初めて名前を聞いた方もいるかもしれませんが、ぜひ使ってみてください。


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