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» 2010年10月01日 09時30分 UPDATE

「職場がツライ」を変える会話のチカラ:みんなが自分で考えるようになる簡単な仕掛け (1/2)

仕事のメンバーに対して「もっと、自分で考えて動いてくれないかな」と思ったことがある人も多いと思います。今回は「問いかけ」をテーマに、みんなが自分で考えてくれるようになるため方法をお伝えします。

[竹内義晴,Business Media 誠]

 「○○さん、これはどうしたらいいですか?」。そのつど、意見を求めてくるスタッフに対し、「もっと、自分で考えて動いてくれないかな」と思ったことはありませんか。

 リーダーに限らず、チームを組んで仕事をしていると、このような場面に遭遇する人も多いと思います。意見を求められるたびに自分の手も止まり、仕事が思うように進まないと悩んでいる人もいるかもしれません。

 では、どうすればみんなが自分で考えてくれるようになるのでしょうか。今回は「問いかけ」をテーマに、各人が物事を考えるようになる簡単な仕掛けについてお話します。

編集部からのお知らせ

リーダー層に加え、スタッフの皆さんでも、職場の雰囲気や環境、人間関係を改善し「自分にとって働きやすい職場」を作っていくために、すぐに実践できるヒントを記したのが、『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(竹内義晴 著)です。本連載では、同著の一部を加筆・修正し、掲載しています。


自分で考えなくさせているのは誰だ?

 わたしがリーダーになりたてのころの話です。当時はよくスタッフから質問されたり、アドバイスを求められたりしました。聞かれたことに答えるのがリーダーの役割だと思っていたわたしはそのつど「それは、○○じゃないよ。△△のほうがいいんじゃない?」と答えていました。

 しかし、たびたび質問されると答えを考えなければなりませんし、そのために仕事が止まることもしばしば。そのうち「こんなことなら、自分でやってしまったほうが早いよ。もっと自分で考えてくれないかなあ」と思うようになりましたが、どうしたらみんなが自分で考えてくれるのか分かりません。そうしているうちに、

  1. スタッフがわたしにアドバイスを求める。
  2. わたしがアドバイスをする。
  3. スタッフは、わたしのアドバイス通りに行動する。

 というサイクルが出来上がってしまったのです。

 ここでわたしは、困ったことに気がつきました。「みんなに“自分で考えてほしい”と思っていたけれど、ひょっとしたらボクが“自分で考えない人”を育てていたのかもしれない……」

 たずねられたら答える、アドバイスを求められたら与える。それが誠意だと思っていました。でも、これを小学校のテストで例えれば、子供が自分で考えて答えを解く前に、先生が答えを教えてしまうようなものです。先生のいうとおりに書けばマルがもらえるなら、子供は自分で考える必要がありません。これでは、いつまでたっても子供は自分で考えるようにはならないでしょう。

 「どうしたら、みんなが自分で考え、気付くようになってくれるのだろう?」

 わたしは悩みました。

考えるきっかけとして問いかけよう

 わたしたちは毎日、たくさんの思考を繰り返しています。ここで少し、あなたが頭で考え始めるのはどんな時かを思い出してみてください。例えば、

  • いままで目にしたことがないものを見て、「あれはいったいなんだろう?」と思う。
  • ほかの人の話に、「なぜあの人はあんなことをいうのだろう?」と疑問を持つ。
  • なんだか嫌な感じがした時に、「これは、いったいなんだろう?」と考える。

 このように、何か物事を考え始める時には、自分自身の中になにかしらの問いかけが起こっていることが分かりますよね。

 子供は言葉が話せるようになると、親にたくさんの「なぜ?」を投げかけます。それはきっと毎日目にするものが新しく、「あれは、いったいなんだろう?」「なぜ、そうなっているんだろう?」と思うからなのでしょう。

 子供のように、どんなことにも「なに?」「なぜ?」と思えればいいのですが、大人になると、小さな疑問は無意識のうちに無視してしまいがちです。「疑問を持ちなさい」「問題意識を持ちなさい」と言われても、意識すれば簡単に持てるようなものでもありません。なにかのきっかけで「あれは、いったいなんだろう?」「なぜ、ああなっているのだろう?」とふと思うから疑問なのです。

 ただし、何に対し「ふと疑問に思う」かは人によって違います。あなたが疑問に思うことに気づかない人もいますし、あなたが気づいていない何かに疑問を感じている人もいます。

 そこであなたが持っている疑問を、仲間と共有してみてはどうでしょうか。「○○って、どうしてだと思う? みんなで考えてみようよ」というようにみんなに問いかけ、一緒に考えてみるのです。

 例えば、会社にはいろんな仕事のルールがありますが、

  • なぜ、会社のお金を使った時には領収書が必要なのか。
  • なぜ、問題が起きた時には上司に報告しなければいけないのか。

 疑問に思ったことはありますか? きっと、多くの人が「そういうルールだから」と思っているだけで、本当の意味や理由は知らないままにそうしています。ほかにも「そういうルールだから」というだけでやっていることはないでしょうか。

 こうしたことを休憩時間などにちょっと問いかけてみるだけでも、一緒に考えるきっかけになります。折に触れて「問いかけ」「一緒に考える」を続けていけば、いずれそれは習慣になります。するとだんだんと「自分で考える」ことも習慣化されていきます。

 意識的に問いかけることで、自分で考える仲間が増えていくのです。

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