Outlookの予定や連絡先、ガントチャートも――散らばる業務をマインドマップに

マインドマップでプロジェクトや業務の情報を視覚的に表示できるソフトウェア「MindManager」の新版が発売。ガントチャートやOutlookの情報を1つのマップ上に表示する機能を追加した。業務の全体像と時間軸を同時に確認できるようになっている。

» 2010年10月07日 19時29分 公開
[藤村能光,Business Media 誠]

 米Mindjetは10月7日、アイデアや情報をマインドマップで管理できるパッケージソフトウェア「MindManager Version 9 日本語版」を発売した。価格は1ユーザーにつき4万8299円。

 MindManager Version 9では、ユーザーの要望を基に「ガントチャートビュー」「リソースプランニング」「スライドビュー」「Outlookとの連係」という4点を重点的に強化している。強化した主な機能の詳細は以下の通りだ。

ガントチャートビュー

ガントチャートビュー ガントチャートビュー

 ガントチャートビューは、マインドマップとガントチャートを同一の画面に表示し、どちらか一方の情報を更新すると、他方の情報も自動更新するようにしたものだ。締め切りを過ぎた作業工程はマップ上で赤色の領域で表示し、ガントチャートの該当カ所をドラッグアンドドロップすると、日程を変更できる。

 この機能がなかった前バージョン(MindManager Version 8)では、「Microsoft ProjectやExcelのアドインを使い、別のガントチャートファイルを開いて管理する必要があった」(マインドジェット チャンピオンプログラム チーフ・エバンジェリストの渡邉安夫氏)という。新版では、ガントチャートを別のソフトウェアやアプリケーションで別途作る必要がなくなった。「マップを修正して、ガントチャートに出力する手間が省ける」

 マインドマップとガントチャートを使って業務を管理しているユーザーからは、「それぞれの更新情報にずれがないようにしたい」という声が挙がっていた。最新版では、業務の全体像(マインドマップ)と時間軸(ガントチャート)に同時にアクセスできるようにして、この課題の解決に努めている。

リソースプランニング

リソースプランニング リソースプランニング

 リソースプランニングは、担当者の1日当たりの勤務時間や業務リソースを検索し、マインドマップ上で該当するトピック(割り当てられた業務)を表示する機能。マインドマップ画面の右側に追加した「リソース」のタブから、担当者の稼働状況を確認できる。

 具体的には、「1日8時間の作業時間を稼働率100%と設定した場合、それを超えるタスクの割り振りがある担当者を表示する」(渡邉氏)といったもの。担当者にかかっている負荷をマップ上で管理し、プロジェクトチームの別メンバーに割り振ることができる。

スライドビュー

スライドビュー スライドビュー

 MindManagerでは、作成したマインドマップの部分を切り出してスライド化し、PowerPointに出力することが可能だ。スライドビューは、「マインドマップとスライドの機能を切り離し、スライドを自由に作成できる」(渡邉氏)機能だ。

 例えば「計画」「開発」「テスト」「納品」というプロジェクト工程をマインドマップに書き、必要な情報だけを抜き出してスライド資料を作る場合、MindManager Version 9では、切り出したスライドの順序を自由に変更したり、スライドの内容のみを修正したりできるようになった。

 これまでは、マインドマップから作成したスライドの順序を変更する場合、マインドマップを直接変更してから、再びスライドとして出力する作業が必要だった。この手間を簡略化できるようになった。

Outlook連係の強化

Outlook連係の強化 Outlook連係の強化

 Outlookの連係も強化している。スケジュールやメールの連絡先といったOutlook上の情報を、マインドマップ上に描出できるようになった。Outlookの情報をマインドマップやガントチャートの記載内容にひも付けて表示する。

 「1日の予定や1週間の予定をぱっと認識できるようになる」と渡邉氏。予定表とガントチャートを別々のアプリケーションで開き、何度も確認をする必要がなくなったというわけだ。


 「アイデア把握の目的は、業務で結果を出すため。MindManagerの役割は、アイデア、計画、実行というサイクルをスマートに回せるようにすること。マインドマップ上の情報を業務における計画や行動につなげ、知恵に変えてほしい」と渡邉氏は話す。プロジェクト管理と日々の予定を同時に確認できるMindManager Version 9は、マインドマッピングツールだけでなく、プロジェクト管理ソフトウェアとしての一面が色濃くなっているといえるだろう。

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