コクヨが「アイデア創発システム」開発――独自アイデアの発想数、ブレストの5倍以上

コクヨは「アイデア創発システム」を開発した。NECとの共同研究によるもの。ブレインストーミングと比較して、独創的なアイデアは5.2倍にもなったという。

» 2010年10月20日 21時00分 公開
[鷹木創,Business Media 誠]

 コクヨは、発想法「ブレインライティング」(注)をベースにした「アイデア創発システム」を開発した。NECとの共同研究によるもの。コクヨのワークスタイルプロセス「クリエイティブプロセス」の研究ノウハウと、NECのWebサービス技術や音声認識技術を組み合わせて、会社組織で活用できるアイデア創出の支援システムだという。

注:発想したアイデアをシートに書きとめて、発想をふくらませる技法。複数人で行う場合、シートを回覧してお互いの発想を刺激しあう。発言ベースの発想技法に比べて、意見を言い出せない人も参加しやすい。

 コクヨのクリエイティブプロセスでは、(1)個人のアイデアを蓄積、(2)組織内でアイデアを共有、(3)組織内でアイデアをさらに創出、(4)創出されたアイデアの整理・選抜――の4つを基本プロセスとしている。このプロセスを複数のユーザーがWeb上で同時に作業するため、アイデア創発システムではNECのクラウドサービスを利用した。

 Webアプリケーションのため、企業間で利用したり、テレビ会議システムと併用したりできるほか、アイデアの登録や保存機能を備えており、一元的なアイデア管理も可能だ。このほか、タッチパネルディスプレイでも操作しやすい付せん型ユーザーインタフェース、音声認識によるアイデア入力機能、利用者グループ管理機能などを実装している。

 コクヨとNECの両社で調査したところ、このアイデア創発システムを利用すると、一般的な発想法である「ブレインストーミング」(注)と比較して、アイデアを生み出す量が2.15倍に、アイデアの要素は1.3倍に、類似性のない独創的なアイデアは5.2倍にもなったという。

注:アレックス・F・オズボーンが考案した発想技法。ブレストと略すこともある。集団でアイデアを出し合うことで、新たな発想を誘発させる技法。

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