“タスク予備軍”はメインのToDo管理ツールに入力しないあなたの不安、見積もります

ToDo管理のWebサービス「Toodledo」をメインのタスクリストにしていて、しかもタスクリストの一元化にこだわっていながら、同様のWebサービス「Nozbe」にも手を出す筆者。これには理由があるのでした。

» 2010年10月29日 16時30分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 ToDo管理のWebサービス「Toodledo」をメインのタスクリストにしていて、しかもタスクリストの一元化にこだわっていながら、同様のWebサービス「Nozbe」にも手を出すというのは一貫性がないのでは、というご意見をいただきました。

 わたしは確かにNozbeも使ってはいますが、その使い方は限定的です。メインのタスクリストは、完全にToodledoです。Nozbeで管理しているのは主に、

  • プロジェクトの約束事
  • プロジェクトのネタ
  • 「人」に関して覚えておきたいこと

 だけにしています。

 これら3つはいずれもよく似ていて、Toodledoでは管理しにくいのが特徴。タスクにチェックを入れれば「終わり」という性格のものではないためです。

 例えば「タスク管理についての新しい本を書くという企画」の場合「できればEvernoteのことも入れる」ということで合意したとします。こう言っては何ですが、編集さんからいただいたアイデアを、何からなにまで本に盛り込めるかどうかも、何とも言えません。なので、こうした「できればEvernoteのことも入れる」に類する「覚え書き」は、処理予定日や見積もり時間を与えるほど、明確な「タスク」にはなり得ないのです。だから、そういう項目をチェックするだけで完了してしまうToodledoには入れにくいというわけです。

 前提には「タスク」になるかどうかが不明な「タスク予備軍」をToodledoに入れたくないという気持ちもあります。タスク予備軍を入れてしまうことで本来のタスクが見えづらくなるのも嫌ですし。

 その一方、タスク予備軍は、Evernoteに入れておいて「機会があったら思い出せればいい。機会がなければ忘れていい」ほど軽いものでもなかったりします。なぜなら、人によっては言い出したアイデアなど、二度目に会うときには完全に忘れている人もいますが「○○って言いましたよね? その件、どうなりました?」と質してくる、記憶力抜群の人もいるからです。

 こんなケースで「あっ!」などと言ってしまうと、立場が悪くなりかねません。そこで、こういう「あいまいな合意事項」についてはNozbeに集めておいて、打ち合わせ直前に総チェックしておくわけです。これが、Evernoteだとちょっと管理が面倒。Nozbeの方がチェックするだけなら素早くできます。

 しかも、NozbeからはEvernoteのデータも参照できますから「総チェック」する上で、両方に入っていてもいいのです。これはなかなか安心できるし、管理がずぼらでも大丈夫です。

 Nozbeは検索機能が弱いというご意見もいただきましたが、こういうタスク予備軍的な“情報”はキーワード検索してもダメで、トップダウンで総チェックしなければ安心につながりません。もちろん検索機能がもっと強くなれば、さらに別の使い方もできるのでしょうけどね。

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筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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