グラフは指先で描く――iPadアプリ「Omnigraphsketcher」のススメあなたの不安、見積もります

まさに「iPadでなければいけないアプリ」というアプリが「Omnigraphsketcher」。何かというと、グラフを指先できれいに描けるアプリです。筆者はこれで難しいグラフもささっと作成し、プレゼンに利用しています。

» 2010年11月05日 23時00分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 グラフを指先できれいに描きたいと思う人は、それほど多くはないかもしれません。

 しかし、プレゼンテーションなどでそういう図を、たとえ「1枚でも」必要な人は、絶対買って損のないアプリが今回紹介する「Omnigraphsketcher」です。

 わたし自身、心理学のグラフなどをスライドで示したいので、こういうソフトを心待ちしていました。これこそまさに「iPadでなければいけないアプリ」です。

 例えば、わたしがよくプレゼンで使う「ヤーキーズ・ドッドソンの逆U字」というグラフ。心理学者のロバート・ヤーキーズとJ.D.ドットソンがネズミを用いた実験で、覚醒レベルと学習パフォーマンスの間には逆U字曲線型の関係があることを示したグラフです。人間でも同様で、緊張の度合いが高すぎても低すぎても、最高のパフォーマンスは発揮できず、適度に緊張している状態がもっともよい、ということを示しています。

 これをExcelなどで作ろうとすると「y=-x(2乗)+10X-9」といった関数グラフが必要になりますが、はっきり言って描くのがすごく面倒。しかしそんなグラフもOmnigraphsketcherを使えば、誇張ではなく2秒くらいで描けます。しかも、たいていはExcelの数式から作り出した関数グラフよりも、イメージ通りの見栄えになるのです。

 グラフに色をつけたり、ラベルを貼り直したりも、iPadで一瞬。まさに、メモ帳に適当に書いたグラフを、勝手に編集してくれるといった感じです。

 有料(1700円)のため、手を出しかねている人が多いでしょう。しかし、前述したとおり、1度でもグラフを書く必要があったら買って損はありません。ただし、学術会議などで使う正確なグラフを描く目的には向いていません。あくまでグラフを簡単に作って、編集したい人向けです(それでも十分実用的ですが)。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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