【短期集中連載】パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』が登場。プレゼンテーションの根幹である「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説します。
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
残念なプレゼンは眠くなる――。なぜ「眠くなるプレゼン」は生まれてしまうのでしょうか? あなたが懸命に説明しているプレゼンの最中、つまらなそうに配布資料を先読みしたり、PCで内職したり、あくびをかみ殺している人を見たことがあるでしょう。
きっと、そのような光景を見たのは1度や2度ではないはずです。ひどい場合には「深い眠りに落ちてイビキが聞こえてくるのでは……」とこちらが心配することさえあるのです。
自分自身、非常に多くのプレゼンに立ち会って来たのですが、「つまらない」と思ったものの共通点を考えてみました。これらをまとめると、3つのポイントに集約できたのです。
これらを見て「そりゃ、当たり前の話だろ」と思う読者もいるかもしれません。しかし、この3つがプレゼン失敗の元凶なのです。逆に言えば「分かりやすく」「具体的で」「面白い」プレゼンができれば、それは大成功間違いなし――のはずです。
労力をかけてプレゼンをやっても成果が出ない……。そんな残念なプレゼンになってしまう人には、2つの共通した傾向があるようです。
1つは、プレゼンをすることが決まりしだい、資料作成に移る人。いきなりPCのPowerPointやWordを立ち上げて「さて、どのようなスライドを作ろうか?」と画面に見入ってしまう人です。
これでは「どのようなアイデアあるいは提案を聞き手に対して行なうか」よりも「どれだけ素晴らしいスライドが用意できるか、どうすればプレゼンが魅力的に見えるか」に関心が移ってしまいます。
確かに、プレゼンは準備が大切です。しかし、プレゼンはスライドを作ることや、巧みな話術で聞き手を魅了することが目的ではありません。あくまで、中身が勝負です。その中身を十分検討せずに、資料の見た目やスピーチの良し悪しだけでカバーしようとしても無理です。
もう1つ、これも大変重要なことですが、自分、つまり話し手の視点ばかりで提案する人です。聞き手の視点になっていないので、聞き手の一番知りたいポイントは無視され、話し手の得意なことが提案の大部分を占める傾向があります。この手の人は話が長いのが特徴です。
話し手の視点ばかりだと「頭がよいと思われたい」「プレゼンがうまいと思われたい」……そんなことばかり考えてしまいます。自分をかっこよく見せようと考えすぎると、プレゼンは上すべりします。
筆者から まさかプレゼン本を書くとは思わなかったのですが、意外にも図解思考との親和性が高く、メリットが大きいことが分かりました。本書では、残念なプレゼンの問題点とプレゼン達人の違いさらに詳細に紹介しています。ぜひ参考にしてください。次回は「プレゼンがうまいって、どんな人?」です。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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