目指す姿が具体的であればあるほど、行動に移しやすくなる。目標設定の次のステップは、その目標を実行するための具体的な週間計画である。ここで役立つのが「1週間コンパス」だ。
時間を管理しなければ――。ビジネスパーソンの大半はそう思っているはずです。ところが、時間というものは管理できるのでしょうか? 本当の“時間管理”をフランクリン・プランナーの視点から描くのが短期集中連載「人生を変えるタイムマネジメント」です。
右は8年ぶりに改定した、時間管理のバイブル『人生は手帳で変わる 改定版』。価値観をベースにし、行動を管理する第四世代手帳を解説しています。
人は、目指す姿が具体的であればあるほど、行動に移しやすくなる。価値観から具体目標に転換する作業こそ、右脳から左脳へ、イメージ的なものから具体的なものに変換する重要な作業なのだ。
目標設定の次のステップとして、設定した目標を実行するために具体的な週間計画を立てる。生活のバランスを考えながら、1週間の中で、自分の行動計画を時間に落とし込む作業を行うことになる。
ここで役立つのが「1週間コンパス」だ。1週間コンパスとは、その名の通り、1週間の間、あなたが軌道から外れずにいられるように導くコンパスの働きをするツールだ。1週間コンパスは、あなたが取り組む価値観や役割を日々思い起こさせるためのものである。価値観やニーズ(役割)を明らかにしても、実際に行動計画を立てるときに、完璧にリンクさせるのは非常に難しい。そこで、この1週間コンパスを用いて、日々確認することができるようにする。
週の初めに、今週のあなたが果たさなければならない「役割」を書き出し、その役割ごとにこの1週間の目標を設定する。このとき、自分自身としての役割も忘れないようにしておく。この役割とその目標を設定することで、あなたの1週間の生活は非常にバランスがよく、情緒的にも充実した生活を送れるようになる。
なぜなら、人はいくつもの役割を持って生きているからだ。会社員、夫(妻)だけではなく、親友としての役割や地域の住民としての役割もあれば、両親の子どもという役割もある。それらの役割を考えることは、あなたの生活にバランスをもたらし、人間関係の構築を助けてくれることだろう。役割から週間目標を設定することで、有意義なコミュニケーションを計画することができ、あなたの情緒的側面に効果的な影響を与えるはずだ。
そして、実際に1週間の中で、あなたの重要な活動を計画していく。1週間コンパス、主体的な目標、月間最重要課題を見ながら、重要なことからスケジューリングしていくのである。
コヴィー博士も『7つの習慣 最優先事項』(キングベアー出版)の中で次のように語っている。
ほとんどの人が行うスケジューリングの方法は、すでに入っている予定の中に、さらに重要な活動を入れようとする。時間をひねり出そうと、仕事の予定を変更したり、ほか人に任せたり、キャンセルしたり、先延ばしにしたりする。しかし大切なのは、スケジュールに優先順位をつけることではなく、あらかじめ重要なことをスケジュールに入れることなのだ。
1週間の計画を立てる大切なポイントは「1週間コンパス」や「主体的な目標」から、重要なことを先にスケジュールを設定することだ。
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