図解思考がプレゼンを強くするプレゼンがうまい人の「図解思考」の技術

「図解思考」は、誰でもすぐに実行できる思考方法。「四角」と「矢印」を使って、情報を整理し、伝えるシンプルな技術。アイデアメモからプレゼンテーションに至るまで、さまざまなビジネスシーンで活用できます。特に図解でプレゼンの構想を練るプロセスを「図解プロット」と呼んでいます。

» 2010年12月14日 10時25分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 シンプルな図で情報がスッキリまとまる――。「図解思考」は、誰でもすぐに実行できる思考方法。「四角」と「矢印」を使って、情報を整理し、伝えるシンプルな技術です。だからとっつきやすく、少し慣れれば誰にでも続けられるスキルなのです。詳細は、前作『頭がよくなる「図解思考」の技術』に詳しいですが、要はすべての物事を「要素」と「要素」の関係性で図式しようというものです。

 図解思考における「四角」と「矢印」のコンビネーションはシンプルですが、最強です。八百屋でだいこんを買うのも、会社の儲かるしくみも、ドラマの登場人物の複雑な人間関係も「四角」と「矢印」のコンビネーションで、スッキリまとめることができます。

四角は要素、矢印は関係性や流れを表す

 まず四角は、要素を示します。ここには登場人物、場所、現象など、何を入れても構いません。そして、矢印は要素と要素の関係性を示します。原因と結果、財やサービスの提供、命令や指示など、2つの要素の関係性を示すキーワードを矢印に添えます。

 私はこの方法を、アイデアのメモからプレゼンテーションに至るまで、さまざまなビジネスシーンで活用しています。

 特に、プレゼンテーションにおいては、図解思考を用いて構想を練るようになったおかげで、ヌケ、モレ、矛盾のない論理的にしっかりした骨組みをスピーディに作り上げることができるようになりました。

 私は、図解でプレゼンの構想を練るプロセスを「図解プロット」と呼び、プレゼンを行なう上で一番重要なプロセスと位置づけています。

 図解思考とは元来、課題分析やアイデアの構築、物事の関連性を把握する際に、「図で考え、描き、それを伝えること」です。できる人は、会議中に「それって、こういうことでしょうか?」と自分の認識を図に描いて示すことができます。


筆者 できる人は、プレゼンのスライドが個条書きのオンパレードではなく、明快な図解で示せます。図解思考を使えば、プレゼンを成功させるための核となる「構想力」「アイデア力」「効果的に伝える力」を大いに向上させられるでしょう。さて次回は、「プレゼンの図解要素は、現実・理想・提案の3つ」です。

集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』 『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』(永田豊志・著、中経出版・刊、A5判/208頁、本体1500円)

 パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。

 「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。


目次

  • 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
  • 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
  • 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
  • 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
  • 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
  • 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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