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» 2010年12月22日 11時11分 UPDATE

プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術:実践! プレゼンのプロット図を描いてみよう

最終回は実践です。あなたは中堅アパレルメーカーの営業企画部の責任者。通販サイトを構築して売上を拡大することを提案します。それでは、やってみましょう。

[永田豊志,Business Media 誠]

 最終回は実践です。新しい事業やサービスを社内に向けて行なうプレゼンを想定してみて下さい。提案内容は通販サイトを構築して売上を拡大すること。それでは、やってみましょう。

課題

 あなたは中堅アパレルメーカーの営業企画部の責任者です。地元を中心に、商品の品質の高さがウリで一時は大変な人気でしたが、最近は問屋経由で販売しているリアル店舗の売上が激減。昨年は前年度比で売上が半減し、とうとう赤字に転落してしまいました。経営陣も、このところの売上の落ち込み、流通業界全体の景気低迷を憂慮し、新たな突破口を見出す重要性は認識していますが、いまだ具体的なアクションに至っていません。

 そこであなたは、すべてのアイテムをネット通販で購入できるWebサイトを経営陣に提言します。あなたは、小売業においてネットを使った新規事業の事例をたくさん見ており、ここで決断しなければ後がないと判断しました。

 あなたはどのような提案を行ないますか? プロットを描いてみましょう。



まずは現実、理想、提案の3つの要素を描いてみる

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 現実の課題は「リアル店舗での売上が減っている」こと、また固定費の高い店舗での売上が減ったことによる「利益率の減少」です。そのため問題を解決した理想的な状態は「固定費の低い手段(=つまりネット通販)によって売上を伸ばし、利益率の改善を図る」こととします。

 そして、提案は「ネット通販の構築」ということになります。


現実をドリルダウンし、考え得る原因に分解する

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 そもそも実店舗での売上が減少しているということですが、具体的にどの程度でしょうか? 調べた結果、前年比で5割ダウンでした。う〜ん、深刻ですね。

 問屋や店舗の販売担当などにヒアリングした結果、特に地元では高価格帯の商品を買う顧客が激減したとか。首都圏ではそれほど変化はないようですが、この会社の製品は地元の店舗が主に販売しているため、影響が顕著だとか。

 粗利益率も調べました。この会社では商品を問屋にすべて卸しており、卸し値は定価の45%。一方、商品原価は定価の30%ですから、この販売経路での粗利は15%しかありません。すなわち、実店舗流通の最大の問題点は、問屋経由だとなかなか儲からないという点につきます。

 売上が半減し、粗利の15%では本社機能など固定費がまかなえずに赤字に転落したということですから、これを元に戻すには、売上を倍増するか、粗利益率の高い商品あるいは販売チャネルでの売上を増やすほかありません。

理想のドリルダウンと達成すべき目標を掲げる

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 理想の姿は、現在の課題を解決し、より大きな事業目標を実現することです。安定した売り上げ、高い利益率、顧客のニーズをすばやくキャッチし、それを商品企画に活かすことです。

 安定した売上といってもあいまいですから、短期的にどれくらいまで、そして中長期的にどれくらいと具体的な数字を明記しましょう。利益率も同様です。ネット通販は商品原価30%以外はほぼ粗利となるため、現在の卸し売りに比べて、利益率の高い販売チャネルです。ネット通販経由の売上を伸ばすことで、全社的な粗利率の問題も改善されます。

 最後に、ネット通販は顧客とダイレクトに接点があり、商品の動きもリアルタイムにつかめます。アンケートなどを充実させることで、顧客のニーズも把握できるでしょう。

提案内容のドリルダウンで、顧客へのメリットを示す

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 ネット通販サービスを構築するというのが提案の概要です。これを提供機能と実現方法の2つに分けて、ドリルダウンしましょう。

 まず、提供機能の部分ですが、オンライン販売自体はそれほど珍しいものではありません。あなたの会社は中堅で地元以外では知られていないため、全国的な知名度にする必要がありそうです。これまで商品を知らなかった非顧客をターゲットに、地元で人気の商品であることをアピール。品質の高さが売りですから、100%返金保証をつけて自信のほどを表すとよいでしょう。顧客囲い込みのためにポイント制も導入します。

 次に、実現方法です。ここでは誰がどのようにネット通販の環境を構築し、さらにそれをどう運用していくのか、という点がポイントです。もちろん、それに必要なコストがいくらかかり、どのタイミングでサービスを始められるのか、ヒト(体制)、モノ(サイト)、カネ(予算)、時期などの視点で詳細をつめていきます。

全体像をチェックし、見直しが済んだら完成!

 さあ、完成した図解プロットを俯瞰(ふかん)してみましょう。現在の課題と未来における解決が提案の目的となっているかどうか、課題のドリルダウンした問題点に対して提案する内容を実現すれば課題が解決しそうか、理想とする未来像は具体的か――などを一通りチェックしてみてください。

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筆者 いかがだったでしょうか? 「プレゼンがうまい人の図解思考の技術」集中連載。スペースの問題で、ごく一部のエッセンスしか伝えられませんでしたが、プレゼン、説明のスキルを磨きたい方の参考にしていただけたのではないでしょうか? 最後に急に難しくなったのは、個別の描き方演習をスキップしているからです。本書のほうではサンプル図解や詳細な描き方を解説していますので、ぜひ、チャレンジしてみてください。

集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』 『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』(永田豊志・著、中経出版・刊、A5判/208頁、本体1500円)

 パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。

 「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。


目次

  • 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
  • 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
  • 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
  • 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
  • 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
  • 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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