これからの時代に求められる「営業方法」とはどういったものでしょうか? 少なくとも「オレの前に座ったら、落とせない客はいない」と言うような営業マンは、活躍できないでしょう。これから求められるのは、長期的な視点に立った「顧客づくり」を主眼においたアプローチです。
ここで、この「顧客づくり」のイメージを持っていただくために、消費者の購買決定プロセスをご紹介しましょう。消費者の購買決定は「問題意識」→「情報収集」→「供給者探索」→「比較検討」→「購買決定」という5つの流れで進行します。
例えば、あなたが、結婚を機会に保険の加入を検討したとします。
「問題意識」段階
結婚を機会に家族を守る保険が必要かな? と漠然と考えている状態
「情報収集」段階
自分にどんな保険が必要なのか? 友人は保険に入っているの? と考えている状態
「供給者探索」段階
誰から保険に入るのがいいのだろう? 紹介? ネット? 銀行? と考えている状態
「比較検討」段階
具体的に話を聞きにいったり、資料を取り寄せたりして比較している状態
「購買決定」段階
実際に保険の加入を決断しようとしている状態
多くの消費者は「問題認識」「情報収集」「供給者探索」の段階に存在しています。これが「潜在的なニーズをもった顧客」(B)になるわけです。
しかし、ほとんどの営業マンは今すぐに売れるお客(A)にしか興味を示しません。ですから、消費活動の出口に近い「比較検討」と「購買決定」の段階にいる層に営業マンが集まります。そうなれば当然、この層の周りにはライバルたちが群がり、価格やサービスの競争が激しくなるということは言うまでもないでしょう。
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