ムダな営業をしていませんか? 売り込まず、お客をファンにする方法売り込まず、お客をファンにする方法(3/4 ページ)

» 2011年01月19日 08時00分 公開
[安東邦彦(ブレインマークス),Business Media 誠]

これからの時代に求められる営業方法

 これからの時代に求められる「営業方法」とはどういったものでしょうか? 少なくとも「オレの前に座ったら、落とせない客はいない」と言うような営業マンは、活躍できないでしょう。これから求められるのは、長期的な視点に立った「顧客づくり」を主眼においたアプローチです。

 ここで、この「顧客づくり」のイメージを持っていただくために、消費者の購買決定プロセスをご紹介しましょう。消費者の購買決定は「問題意識」→「情報収集」→「供給者探索」→「比較検討」→「購買決定」という5つの流れで進行します。

マーケットによる発想転換

 例えば、あなたが、結婚を機会に保険の加入を検討したとします。

「問題意識」段階

結婚を機会に家族を守る保険が必要かな? と漠然と考えている状態

「情報収集」段階

自分にどんな保険が必要なのか? 友人は保険に入っているの? と考えている状態

「供給者探索」段階

誰から保険に入るのがいいのだろう? 紹介? ネット? 銀行? と考えている状態

「比較検討」段階

具体的に話を聞きにいったり、資料を取り寄せたりして比較している状態

「購買決定」段階

実際に保険の加入を決断しようとしている状態

 多くの消費者は「問題認識」「情報収集」「供給者探索」の段階に存在しています。これが「潜在的なニーズをもった顧客」(B)になるわけです。

 しかし、ほとんどの営業マンは今すぐに売れるお客(A)にしか興味を示しません。ですから、消費活動の出口に近い「比較検討」と「購買決定」の段階にいる層に営業マンが集まります。そうなれば当然、この層の周りにはライバルたちが群がり、価格やサービスの競争が激しくなるということは言うまでもないでしょう。

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