続いて、本体の構造および外観についてもチェックしておこう。
背面の給紙トレイから挿入した原稿が本体手前から排出されるという仕組み自体は、従来のScanSnapシリーズと変わらない。筐体は、現行のS1500/S1300のような“ヨーロピアンテイスト”デザインとは異なる角張った無骨なデザインだが、シルエットや配色から、ScanSnapシリーズであることがひとめで分かる。
本体サイズはやや大柄に見えるが、使用時の占有空間はS1500とほぼ変わらない。ただしS1500と違って上部の給紙トレイは手前に折りたたむことができず、基本的に展開したままとなるため、未使用時はかなりの存在感がある。
またS1500であれば給紙トレイを展開することで電源がオンになる仕様だったが、本製品は給紙トレイをたたむ仕組みがないため、本体正面右側のボタンで電源をオンオフする仕組みになっている。
外見上、コンシューマ向けの最上位モデルにあたるS1500との大きな違いは、本体正面に据え付けられた大型のタッチ対応液晶パネルだ。サイズは8.4インチ、解像度は1024×768ピクセルというから、ちょっとしたモバイルPCや電子書籍端末並みの巨大さだ。液晶パネルに表示されるソフトウェアキーボードの挙動はiPadなどとよく似ており、操作性も良好だ。
ところで実際に箱から出してみて「おやっ」と思うのが、従来のScanSnapシリーズのような添付DVDがないことだ。これは前述の通り、「ScanSnap Organizer」や「ScanSnap Manager」といったユーティリティに相当する機能が本体側に内蔵されているためである。
ただし設定内容によっては、本体のタッチ液晶だけでは設定が行えず、設定ソフトをPC側にインストールしなくてはいけない場合がある。これらについては本体内のROM領域に書き込まれており、ブラウザから本製品にアクセスしてダウンロードする。またマニュアルについてもスタートアップガイドだけが紙で添付されており、設定に必要なオペレーションガイドは本体からダウンロードする仕組みになっている。
以上、ざっと概要を紹介した。導入手順の概要およびスキャンの品質は、次回の後編で詳しく紹介していく。
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