目指せ35%省エネ、今だからこそ“本気の節電術”(後編)大規模停電を回避せよ!(6/7 ページ)

» 2011年03月28日 19時30分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

通電時間の短い電子レンジ、掃除機はピークシフトを意識して使う

1000Wの設定が可能。冬場、ドライヤーと併用するとブレーカーが飛ぶ

 最後は通電時間の短いものの消費電力を確認してみよう。筆者宅の電子レンジは1000Wまで設定ができる。スチーム機能は時間が掛かるのでほとんど使っていない。1000Wに設定して加熱すると1500Wを消費している。600Wにすると1070W。設定値よりも実際の消費電力はかなり多い。

 筆者宅の電子レンジはドアの開閉時に液晶ディスプレイが点灯し、しばらくすると消える。表示が消えると消費電力もゼロとなるのでコンセントを抜く必要はなさそうだ。理論上は1000Wを600Wに変更し、少し長く加熱した方が電力のピークを下げられそうだが、実際には加熱時間が長引くと電力使用時間が増えるので微妙なところだ。


電子レンジ
状態 消費電力 1カ月の電気代
(1日10回換算)
1000W×2分使用時 1500W 330円
600W×2分40秒使用時 1070W 313円前後
待機 0W 0円

 1000W(1500Wの消費)で1回2分、1日10回使用すると月に15kWhで330円となる。1000Wを600Wに切り替えると2分の温め時間はおよそ2分40秒に延びる。机上の計算では月に14.2kWhとなるので、若干消費電力は減るが実質の差はあまりないだろう。

 節電だけを考えれば、鍋やフライパンで温めれば使用回数が減り節電にはなるが、ガスを消費するのでトータルで省エネになるかは微妙だ。ただ、ファンヒーターと同じく、電気を使う作業が他のエネルギーに移行するのでピーク時の消費電力削減には有効だ。例えば18時に牛乳を温める時は鍋を使い、深夜に温める時は電子レンジといった使い分けも必要かもしれない。

掃除機
状態 消費電力
936W
マナーモード 278W
エコモード 170W

 筆者宅の掃除機は東芝製で強、マナー、エコの切り替えがある。強で使用すると936W、他のモードは大幅に消費電力が少なくなるのでフローリングの部屋は省エネモードに切り替えると節電になる。掃除機も使用する時間をずらせばピーク時の消費電力を削減できる。午前中と夕方以降は避け、午後か深夜に掃除をしよう。節約の視点で考えれば掃除機を使わず、ほうきやフローリング用のモップを使えば消費電力はゼロだ。


洗濯機
消費電力 1カ月の電気代
(1日1回)
0.09kWh 59.4円

 筆者宅の洗濯機は96年製と古く、縦型の全自動タイプだ。乾燥機はさらに古いが年に数回しか使用しないので、洗濯機の買い替えるまでこのまま使い続ける予定だ。

 洗うものもないのに測定のために洗濯機を回すのも無駄なので1回分の積算の電力だけ測定した。1回の洗濯の電力量は0.09kWh、毎日1回、1カ月で30回使用して59.4円。意外と少ないが、洗濯機のモーターが実際に回っている時間は洗い8分、すすぎ5分、脱水5分程度。脱水は一度回転したらほとんど電力を消費しないのでこの程度なのだろう。待機電力はゼロだった。炊飯器と同様、タイマーが付いているので早朝に動かせばピーク時の消費電力削減につながる。夜寝る前に洗濯するのも節電効果は高い。


 乾燥機はほとんど使わないので測定データはなし。古い機種はドライヤーを1時間以上使うようなものなので、ピーク電力も高く、消費電力も多い。天日で干して使わないのが一番だが、使用する場合は夜の遅い時間とか電力消費のピークを避けるようにしたい。

製品 消費電力
ドライヤー 1200W
トースター 1300W

 ドライヤー、トースターは表示通りの電力が消費される。消費電力が多いので節約の面では使用する場合は少しでも時間を短くするように努めるしかないだろう。ピーク時の消費電力削減を考えると、ドライヤーは夜の遅い時間に使った方がいい。乾かすだけならお風呂に入る時間を遅くしてドライヤーの使用する時間も遅い方がいい。朝シャワーを浴びてドライヤーを使うのは浴室の照明とドライヤーがピーク時に来るので避けたいところだ。

 アイロンは計測データなし。使用時の電力は大きいので午前中の夕方のピーク時は使用を避けたい。節約の面では毎日少量のアイロンを掛けるより、少しまとめて連続して使用した方が熱の無駄がなさそうだ。

 一番最後は「贅沢は素敵だ」と個人的に感じるオーディオ製品だ。最近はステレオを聴く人は少ないと思われるが、筆者は独立してから自宅にいる時間が長くなり、そこそこ音楽を聴く時間が増えた。アンプはヤマハのAVアンプなのだが、ウーファーを自作の真空管アンプで駆動しているので音楽を聴く度に「電気を使っている」という思いが強かった。

AVアンプ+真空管アンプ
状態 消費電力
稼働 180W
待機 0W

 アンプの消費電力は180W。音楽、映像ともNASに保存しテレビにつないだ専用PCで再生している。と言うことで音楽を聴くにはテレビ、PC、NAS、アンプを使うことになり、トータルでは300W弱になる。2時間視聴すると600W、13円。使用する時間帯は平日の昼間。家族が帰宅してからは滅多に使用しない。原稿書きなどで忙しい時は何日も使用しないので月単位の消費はそれほど多くはなさそうだ。とは言えこのご時世なので、BGM的な聴き方をする時はiPodスピーカーかPCのスピーカーを使用している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ