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» 2011年04月19日 16時40分 UPDATE

ホワイトボードとEvernoteを連係、内田洋行のクラウドサービス

内田洋行が「ウチダ・ビジネス・クラウドサービス」を発表。第1弾は「Evernote」と連動するスキャナ付きホワイトボード「書撮りくんEN」。

[鷹木創,Business Media 誠]
st_uch01.jpg 内田洋行の朝倉仁志執行役員

 「夏場の計画停電は回避の見込みだが、われわれのような企業には25%の消費電力削減が課せられている。本社ビルは9階建てだが、25%というとこのうち3階分の電力を消せということ。そんな状況で本当にビジネスができるのか」

 こう話すのは、内田洋行の朝倉仁志執行役員。東日本大震災の影響による福島第一原発の事故で東京電力の電力供給量が大幅に低下する中、首都圏ではどの企業も消費電力削減に向けて努力している。4月19日、内田洋行が発表した「ウチダ・ビジネス・クラウドサービス」(UBCS、仮称)は、「1つのオフィスに一斉に集まるのではなく、場所に制約されず個人のパフォーマンスを最大限に高める」(柏原孝社長)。オフィスにしばられずにビジネスを進められるため、企業の消費電力削減にも貢献するという。

ホワイトボードとEvernoteが連係すると、会議が変わるか

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 UBCSは、企業内のチームや組織活動で重要な「情報共有」「コミュニケーション」「ディスカッション」を支援するクラウドサービスを相互に連係させるためのサービス。第1弾として、パーソナルクラウドサービス「Evernote」と連動するスキャナ付きホワイトボード「書撮りくんEN」を独自に開発した。

 書撮りくんENは、内田洋行が提供している「書撮りくんMCII」を基に、ファームウェアを改良してタブレットタイプのAndroid端末やEvernoteなどのクラウドサービスと接続できるようにしたモデル。書撮りくんENに接続したAndroid端末のアイコンを押すだけで、ホワイトボード上に記述した全てのイメージを、あらかじめ設定したEvernoteに保存できる。取り込んだ情報は、オーリッドのクラウド型デジタイズサービス「O-RID-KYBER」を通じて、テキストデータに変換し、こちらも併せてEvernote保存する。

st_uch05.jpg Evernoteにアップロードした手書き情報の下には、O-RID-KYBERによってデジタル化したテキストが付く

 スキャナ付きホワイトボードとネットワークを介してEvernoteとO-RID-KYBERを連動させることで、クラウド上に保存するだけでなく、検索可能にすることで利便性を高めたという。「Evernoteだと全文検索がちょっと弱い。なのでO-RID-KYBERを使ってOCR処理を行っている」(朝倉氏)

 6月20日に発売で、発売前にはモニターも受け付け、5月10日からβ版を提供する。Android端末やソフトウェアを含む価格は30万円〜40万円程度を予定。月額1万円程度のリースプラン(3年、デジタイズサービスなどを含む)も用意する。

 4月19日の記者会見では実機によるデモンストレーションも実施した。書撮りくんENにはタブレット型Android端末「Xvision」をUSB経由で接続し、書き込んだ手書き情報をEvernote上にアップロード。ノートPCのほか、iPadや「GALAXY Tab」といった各クライアントのEvernoteアプリ上で手書き情報を確認できた。なお、書撮りくんENに接続できるAndroid端末はXvisionに限らず、USBホスト機能を搭載している端末であれば接続可能。また、従来から書撮りくんMCIIを利用している場合、ファームウェアのアップデートや接続できるAndroid端末などを用意すればEvernote連係機能が利用できるという。

“場”は施設に捕らわれる必要はない

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st_uch06.jpg Evernoteのフィル・リービンCEO

 「会議は共同知的生産の場だが、ホワイトカラーの労働時間のうち、20〜30%ぐらいが会議に使われている。その内、意味のある会議は5割、役に立つ会議は4割と言われている。しかも、会議は資料を用意したり、議事録を作成したりと、準備作業や後作業がたくさんある。知的生産の場として、アイデアや発見、気付きといった知的資産が発生するかが本来の目的なのだ」(朝倉氏)

 会議には議事録やメモ書きなどの形にならない暗黙知がたくさんある。例えばその場でのなまなましい議論だったり、すぐ消してしまった板書などだ。こうした暗黙知はこれまで共有が難しかったが、知的資産という意味では見過ごせない部分でもある。内田洋行ではこの暗黙知に着目して、今回の書撮りくんENを開発したという。「内田洋行は“場”を提供してきた。それは、働く場であり、学ぶ場であり、集う場――だった。(インターネットなどのインフラが発達した今)“場”は施設に捕らわれる必要はない。公園でも学べるし、会議室ではなく、携帯を片手に道端でも会議に参加できる」

 UBCSでは、今後もクラウドサービスと連係するような製品やシステムなどを運用を含めて提供する予定。「クラウドサービスは課題が多い。個人で持っている情報を会社や組織で使いたいが、セキュリティはどうするのか? せっかく導入したサービスを本当にみんなが使っているのか? サービスをやめたくなったらどうするのか? クラウドサービスとITデバイスを親和性のある携帯としてうまく結び付け、運用までをトータルでサービス化することが(UBCSの)コンセプトだ」

 Evernoteのフィル・リービンCEOも登場。「Evernoteをインテグレートしたホワイトボードはクリーンでエコだ。百年の歴史を持っている内田洋行がクラウドサービスを提供するというのは奇異に聞こえるかもしれないが、自然なこと。というのは、クラウドサービスの成功条件が、ユーザーと情報の間の障害物を取り除くことだからだ。内田洋行が百年以上にわたって続けてきたことはまさに、ユーザーと情報の間にある障害物を取り除くことだ。内田洋行の社内は、デザインの質や細部のこだわり、ユーザーへの配慮など、クラウドで成功する要因があった。今後、Evernoteと内田洋行では、もっとインスピレーションやアイデアがあふれる製品を世界中に提供していきたい」

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