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» 2011年04月20日 19時18分 UPDATE

これなら続けられる!名刺管理術:99枚の名刺でビジネスを回す方法 (1/3)

ビジネスの達人たちはどうやって名刺を管理しているのだろうか。名刺管理特集の第二回は誠ブロガーの荒木亨二さんのやり方を紹介しよう。

[荒木亨二,Business Media 誠]
誠ブログ

 名刺はもらった瞬間に意味がなくなる。なぜなら本人と直接会って話をしてしまえば、それ以降はメールや電話でやりとりをするため、その後の使い道が特にない。この“不必要なビジネスツール”をいかに有効活用するのか? 業界がバラバラにまたがってしまう私の場合はよけいにやっかいで、普通とはちょっと違う感じで管理している。

“名刺サーフィン”こそが極意

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 名刺をきちんと管理するテクニックとは、最終目的は後々の「見やすさ」「使いやすいさ」を見つける作業である。もらったらあまり使わないが、後で引っ張り出す可能性もあるのが名刺という存在。そこで「閲覧性」「携帯性」「検索性」を念頭にファイリングしたり、現在では様々なIT機器に簡単にデータを落とし込んだりなど、いろんな方法がある。

 Webでニュースをチェックするビジネスマンが多いが、私は必ずパラパラと紙の新聞をめくる「原始的スタイル」を保っている。ネットに頼り過ぎると興味のある記事にしか目が向かない恐れがあり、コンサルタントの私にとっては、それは致命的である。名刺も同じことで、データ化してしまうと二度と意識が向かない“埋もれた人材”が出てくる可能性があるので、やはり紙のままファイリングという原始的な手法で管理している。

 ファイリングの手法としては「会社・業界」といったテーマでカテゴライズするのが無難かつ効率的かと考え、当初はこの方法でやっていた。マスコミ業界なら新聞、テレビ、雑誌などの名刺をかため、ファッション業界なら百貨店、アパレル、スタイリスト、IT業界なら代理店、Web系コンサル、SE。これにならって美容業界、飲食、金融、教育――と、業界ごとにファイリングしていた。

 メリットはある人物の名前が思い出せなくても、業界やどんな仕事をしているかくらいは思い出せるので、目的の名刺はすぐに探し出せること。ところが思わぬデメリットがあった。名刺の基本的な役割は社名と肩書を表現することだが、1枚の名刺の奥には無数の人脈が眠っているのだ。

 例えば自分でWebサイトを作ろうと考えた。そこで真っ先にIT業界のページをめくるのだが、ふとファッション業界のスタイリストの名刺に目が止まる。

 「あ、確かこいつの知り合いにWebサイト作成会社の社長いたよな?」と思い出し、そうか、彼女に連絡しようと思いながら、ん? その隣のデザイナーの名刺でまた思い出す。「安くてセンスのあるWebサイト作れる人なら紹介できますよ」という言葉を思い出す。と同時に「そうか、今やっているカルチャースクールのプロデュースの仕事、このデザイナーに話を持っていっても面白いかも……」などと、名刺をめくっているうちに本来の目的を忘れ、ついつい仕事のアイデアを考えたりしてしまい、そのままネットサーフィンならぬ“名刺サーフィン”にハマってしまうことが多い。

 私の場合、名刺の8割が経営者かフリーランスで占められており、それぞれが様々な人脈を裏に抱えている人々である。業界をまたいでコンサルタントをしている私が、そもそも業界ごとに名刺をカテゴライズしてもまったく意味がないことを悟った。

 そこで考え付いたのが「ハヴズ流ファイリング」という、ちょっと変わった手法である。名刺とは究極的に、その人が抱える人脈手帳でもあるのだ。

ハヴズの意味

 私がもっとも敬愛する作家・開高健氏、彼の代表作の1つ『輝ける闇』のなかに、永年私のココロを釘づけにしている一節がある。

 「サイゴンには二種類の人間しかいない。ハヴズとハヴ・ナッツしかいない。」

 「ハヴズ」と「ハヴ・ナッツ」――。英語で書けば「haves」と「have-nots」。金持ちと貧乏人という意味である。持っている人間=ハヴズはどんどん富んでいき、反対にハヴ・ナッツにはまったく恩恵が回ってこない。何ともやりきれない社会の厳然たるルールである……。

 この小説を読んだのは高校生のときだった。ハヴズとハヴ・ナッツ、これは主にお金の話、私はまだその真意など分からなかったが、この2つの言葉にはもっと人生的に奥深い意味があると感じたのだ。持っている人間と、持っていない人間と。

 人脈にもハヴズとハヴ・ナッツがあり、お金よりむしろ人脈にこそ、ハヴズとハヴ・ナッツが如実に反映されるのではないかと考えるようなったのが20代後半だった。

 もっと詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。


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