Evernoteを使ったアプリコンテスト、慶應大の古川教授らが若手開発者を支援

米Evernoteと慶應大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)は、若手開発者などの支援を目的とした共同プロジェクトを開始。第1弾は「Evernote」を活用したアプリケーションのコンテストだ。早ければ5月にも募集を始める。

» 2011年04月21日 17時31分 公開
[鷹木創,Business Media 誠]
KMDの古川教授
EvernoteのリービンCEO

 米Evernoteと慶應大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)は、若手開発者などの支援を目的とした共同プロジェクトを開始する。第1弾は、テキストや画像などのデータを複数の端末で同期して保存、管理できるサービス「Evernote」を活用したアプリケーションのコンテスト。早ければ5月にも募集を開始する予定だ。

 KMDの古川享教授によると、2008年にKMDの第一期生を引き連れてシリコンバレーに行ったとき、Evernoteのオフィスにも訪問したことがきっかけ。その後、Evernoteのフィル・リービンCEOが来日した際にはKMDで特別講義を行うなど交流するようになったという。こうした経緯を基に、米Evernoteと古川教授がそれぞれ500万円、合計1000万円をプロジェクト基金として拠出し、共同プロジェクトとして運営する。

 「Evernoteのファンクションは、すべてのことを記録したり、整理したり、素早く見つけ出したりすること。このEvernoteをプラットフォームに何かできないかと考えた。8ビット時代はBASIC言語で、続く時代はOSの上で、その後、Officeなどの統合パッケージの上で新しいアプリケーションが生まれた。今はクラウド上、ネットワーク上でそういうアプリが生まれるはずだ」(古川教授)

 Evernoteと連係したアプリを競うコンテストは、5月から6月にかけて募集を開始する予定。アプリやサービスのテーマは自由だが、Evernoteを活用して、困っていることを解決したり、ビジネスや学習などの知的活動を助けたりする新規アイデアを想定している。結果発表は7月中旬で、優れた連係アプリや震災復興に寄与するアプリを選び出す。

 Evernoteと連係したアプリはすでにいくつか出ているが、古川教授はキングジムの「ショットノート」を挙げ、「四隅の四角いマークを撮影することで、ノートをスキャンし、画像を補正した上で、Evernoteにアップロードできる」と説明。「Windows Liveのブログサービスが終了してしまったため、(古川教授の)ブログがなくなってしまった。バックアップをとっていなかったのが悔やまれるが、例えばそういうバックアップがEvernoteで取っておけるようなサービスもいい」とコメントし、アプリのアイデア例を示した。

 最優秀賞の受賞者は、EvernoteやKMDからの技術的なサポートが受けられるほか、8月にサンフランシスコで開催する予定のEvernote開発者会議に招待する予定だ。

 EvernoteのリービンCEOによると、Evernoteを利用する開発者の約3分の1は日本からの開発者。その一方、シリコンバレーで活躍する日本人が少ないと感じているという。Evernoteでは共同プロジェクトの一環として、今後日本の学生や開発者をインターンとして受け入れるとしている。

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