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» 2011年05月12日 17時35分 UPDATE

あなたの不安、見積もります:黙って記録しよう――習慣化したいなら

「レコーディング・ダイエット」というダイエット法が有効だったように、何かを習慣化するには「記録すること」が重要です。しかし、記録は面倒。さぼっているうちに何も身に付かなかったということもありえます。そこで簡単に記録できる方法を考えてみます。

[佐々木正悟,ITmedia]

 『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)で「レコーディング・ダイエット」という手法が一時話題になりました。今では1つの方法として定着していると思うのですが、そのわりに「ダイエット中」と言う人が食事の記録をしていません。「ダイエット中」と言う人の数に比べ、食事内容を記録する人の数が圧倒的に少ないのです。

記録しないと始まらない

 ダイエットに限らず、禁煙でも貯金でもマラソンでも、およそ「記録を取る」ということは習慣を継続するために極めて有効な方法です。言い古されていることですが、継続したい人はぜひ記録しましょう。

 記録をしないと、私達は忘れるのです。記録しても忘れますが、少なくとも記録は残ります。米ベイラー医科大学の心理学者トム・バラノフスキー博士によると「子供は自分が食べたものの15%を忘れていて、食べたというものの30%は空想の産物である」そうです。

 私達はここまでひどくないでしょう。しかし昨日の夜に食べたと思っていたものが、実は一昨日の夜に食べたもので、昨日食べたものの中身は何一つ思い出せない経験は、私自身にもあります。

 もっと悪いことに、私達は「記憶を都合良く歪める」のです。記録を取らない人がダイエットや禁煙に失敗しやすいのは、この歪曲が大きな鍵を握っています。食べた量を過小に歪曲したり、ハンバーガーとスイーツだった食事内容を、野菜サンドとフルーツに置き換えたりするのは「朝飯前」です。

スマホで撮影するのが手軽

st_et01.jpg Eatwit

 ただ、レコーディング・ダイエットをはじめ、およそ記録を取るのが面倒だとか、つい忘れるといった話はよく聞きます。そういう人の場合にはやはりスマートフォンで写真に撮るのがよいでしょう。

 そんな人には、Evernoteと連動する「FastEver Snap」がオススメ。写真であろうとテキストであろうと、記録は後から見返さないと意味がないため、必ず見るところに送り込むのがベストです。Evernoteを常時使っている人は、Evernoteに送られた自分の食事の写真を見返すのが一番簡単です。

 よくTwitterなどに食べた内容と写真を投稿してくれるアプリ(「Eatwit」など)が紹介されています。意図はよく分かりますが、最初からあまり張り切りすぎるとつらくなります。人は自分が思うほど他人の食事内容に興味を持っていませんが、投稿するとなると気が引けることも多いでしょう。それが気にならず、しかもご自分のツイートを読み返す習慣があるなら、Eatwitは食事の記録として非常によい選択肢になるはずです。

撮影だけでもいいなら「OneCam」

 ということで、行動を変えるために何かを習慣化するには、

  • 最低限のことはする(何でもいいから食事の記録を取って見返す)
  • 最初からそれ以上のことはしない(カロリー計算や体重のTwitなど)

 の2点を頑なに守ること。それから「写真を撮る」となると、シャッター音が意外に気になりませんか。デリケートな問題ではありますが、毎度の食事ごとに写真を残すなら(間食ももちろん入れなければダメですから)シャッター無音の方が余計な気を使わずにすみます。

 そういう人には「OneCam」がオススメ。消音設定ができる上に、動作が非常に軽快。写真を撮るハードルをいやが上にも下げてくれます(悪用は厳禁ですよ)。

 なんだかんだ言っても、記録が面倒だとそのうちに記録も取らなくなり、結局ダイエットもあきらめてしまうもの。「食べ物を記録して、見返す」という目的に絞って、効果的なやり方を考えてみてはいかがでしょう。

筆者:佐々木正悟

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 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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