インタビュー
» 2011年05月20日 12時45分 UPDATE

有事の情報発信体制を考える:震災時に企業サイトが発信できなかった理由とは? (1/3)

今回の震災で、インターネットは企業活動の報告、安否確認、支援活動など情報発信に大きく貢献しました。そして震災時、一時止まったかに見えた企業活動でしたが、オンラインで製品やサポートなどの情報を次々に出して流通させるという、もう1つの企業活動が活発化していました。

[聞き手:小林利恵子,Business Media 誠]

 災害が大規模になるほど、企業活動が通常通り行われているのかどうかなど基本的な情報をはじめ、通信状況や物流、サービスサポート、支社や工場の状況などについて、取引先のパートナー、サービスや商品をユーザーや消費者などに向けて迅速にWebで発信していかなければなりません。

 そこで今回、キヤノンマーケティングジャパングループの全サイトを統括するWebマスターである増井達巳氏(コミュニケーション本部ウェブマネジメントセンター所長)、データセンターや企業サイト構築を支援す日立情報システムズの小野寺和則氏(市場開発営業部主任)、Web制作会社ロフトワークの諏訪光洋氏(代表取締役社長)が緊急時に有効な企業サイトの在り方を鼎談。震災時に気づいたこと、行動したことなどを振り返りました。

コンプライアンスがボトルネックに?

st_op01.jpg ロフトワークの諏訪氏

諏訪 今回の大震災では東京電力は結果的に情報発信でかなりのロスをしました。それは企業イメージ自体の失墜を、さらに助長してしまった。情報の出し方で、こんなことになってしまうのかというのが、僕の中ではすごく恐ろしいと感じています。

 では、東京電力のコンプライアンスがしっかりしていなかったのでしょうか? そんなわけはない。逆にしっかりしすぎていたがために、いろんなことが後手に回ってしまったのかもしれません。天災の予測はつかないですし、あらゆることに対応することは不可能です。それでも、企業には情報を正確に発信していく義務があります。有事の際、企業からの情報発信はどうあるべきなのでしょうか?

増井 今回、他社のWeb担当と話していて共通していたのは、社内のコミュニケーションロスがボトルネックになるリスクがあったという点です。インフラも生きており、情報発信を行う体制も稼働していたにも関わらず、発信内容がなかなか決まらなかったり、情報発信が遅くなったりしたのは、緊急時の社内コミュニケーションがうまく訓練できていなかったことに原因があったと感じました。

諏訪 コミュニケーションと情報は本来、その会社が出す製品よりも“鮮度”が重要だったりするものです。製品はサプライチェーンマネジメントの最適化によって、できるだけ早く届けようと努力してきたが、情報は承認過程の複雑化などで、対象に届けるまでどんどん遅くなっていったように感じています。

 なぜ企業は、情報だけが鮮度が落ちやすいような対処を今までしてきたのでしょう? サプライチェーンを整えていくのと同じで、情報もできるだけ早く届けるにはどうしたらいいのかを考えるのが重要だと思います。

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