コラム
» 2011年06月30日 10時30分 UPDATE

ビジネスフィールドワーク:第2のオフィスを探せ――都心から1時間、“飛び地東京”の可能性(佐々木俊尚編)

東日本大震災以来、働き方が変わる――。ジャーナリストの佐々木俊尚さんと一緒に「第2のオフィス」について、茨城県つくば市を取材した。

[取材:佐々木俊尚,Business Media 誠]
st_tukuba15.JPG 佐々木俊尚さん

 東日本大震災以来、働き方が変わる――と言われている。会社に属しているビジネスパーソンの多くが、これまで会社のオフィスに出社しなければ仕事にならなかったが、震災で交通機関がマヒしたり、電力不足になったりで仕事を中断せざる得ない状況になり、都心部になるオフィスでの仕事がままならなくなったためだ。

 そんな中、震災関連の取材でも活躍しているジャーナリストの佐々木俊尚さんが「第2のオフィス」について茨城県つくば市を取材した。フリーランスの佐々木さんはすでに、ノートPCや携帯電話などを駆使したノマドワーキングを実践しているが、今回の震災を受け東京の拠点を離れて、地方にもオフィスを構えることを検討しているという。

 なお、今回NTTコミュニケーションズの協力で、取材で撮影した写真(119枚)はすべて「OCNマイポケット」に保存している。取材中に佐々木さんがスマートフォンで撮影した写真もアップロードした。OCNマイポケットユーザーであれば、記事で公開していない写真も共有できるようになっている。OCNマイポケットユーザーの読者はぜひ編集部にIDの連絡をもらいたい。

“飛び地東京”つくばの可能性

st_tukuba5.jpg つくば駅の周囲

 そんな佐々木さんが新しい拠点の候補地として選んだのが茨城県つくば市。つくば大学や研究学園都市で有名な町である。東日本大震災で被災もしたが、5月中旬の取材時現在、行政機能はほぼ復旧している。放射線の影響も、市内の複数の研究機関などで断続的に測定しており「市内では健康に影響を及ぼすような放射線量は測定されていない」(つくば市Webサイト)という。

 つくばを検討した理由は、ほどほどに都会だからだ。「出張だと思ったように仕事にならないことが多いでしょう」。佐々木さんの持論である。出張ではいつもの環境が大きく変わるため、ちょっとした仕事には対応できるが、ライフスタイルも変わるような変化は仕事にも影響を与える。あまりに変化しすぎると変化に合わせることが主になってしまい、仕事に集中できないのである。

 普段から自炊している佐々木さんの場合、部屋には調理できるキッチンが必須。食材を手に入れるためのスーパーなども近所にあってほしい。東京で続けてきたライフスタイルを第2のオフィスでも続けたい――というわけだ。そういう意味でも、つくばは「飛び地東京だ」(佐々木さん)という。

東京に似てる!?

 飛び地とは、都道府県や市町村などの一部が別の行政区画に飛び離れて存在する地域のこと。東京都の飛び地としては埼玉県新座市片山に囲まれた練馬区西大泉町などが有名だ。もちろんつくば市が東京の飛び地である事実はないが、都会的な雰囲気を随所に感じて出た言葉である。

st_tukuba19.jpg つくばクレオスクエアのマップ

 例えば、つくばエクスプレス終点のつくば駅前にあるショッピングセンター「つくばクレオスクエア」。テナントのショップにはワインショップのヤマヤが入っていたり、隣には西武百貨店があって、その中には無印良品やリブロ、ザ・ガーデン自由が丘が入っていたりした。

 「入っているショップが割合都会的。安価な商品で勝負するお店ではなくて、しっかりしたものを売っているショップが多い印象だ」と佐々木さん。都心とまでは言わなくても「ラゾーナ川崎プラザを小さくした感じ。東京だと立川市、地方だと札幌市や福岡市、長野市に似ている」。


st_tukuba22.jpgst_tukuba30.jpg テナントの内容(左)とクレオスクエアの入り口(右)

st_tukuba39.jpgst_tukuba25.jpg クレオスクエアの中にはワインショップも入っている(左)。奥には西武百貨店も(左)

公園が静か

st_tukuba41.jpg つくばクレオスクエアからつくば市中央公園を望む。H2ロケットの実物大模型が見える

 郊外型都市がいいのなら、つくばのほかにも候補地はありそうだが……。「ベッドタウンは隣近所との付き合いが多くて、逆に面倒くさい」と苦笑。お昼ごろに家を出て、近所を散歩しながら公園や喫茶店で仕事をすることも多い佐々木さんの場合、うわさ話が好きな奥さま方に変な誤解を生む可能性もあろう。

 その点、つくば駅の近辺は研究学園都市も近く、インテルやソフトイーサといったIT企業に加え、ライトオンなどの大企業も多い。昼間は学生とビジネスパーソンが多く、公園は比較的空いており、木陰のベンチも取り合いになることなく座れるだろう。読書スポットも多そうだ。また駅の近辺では、大通りから数本入った道でも歩道と街路樹が整備されており、散歩もしやすそうだった。「日本の田舎は普通、車社会。田舎道は散歩をしようと思っても、歩道がなかったり、いきなり大きなトラックがわきをかすめたりする。(つくばは)しっかり歩道があって散歩しやすい。それにつくば市内は平坦だから、自転車での移動も苦労しないはず」


st_tukuba52.jpgst_tukuba55.jpg 駅から至近の公園だが、人影もまばら

st_tukuba65.jpgst_tukuba64.jpg 駅近くの駐輪場。雨を避ける屋根があれば満点だった……。右はやはり駅近くの駐車場

st_tukuba76.jpgst_tukuba92.jpg 公園から駅前に至る並木通りが気持ちいい。右は大通りを離れたところ。季節外れの焼いも屋があった。こうした道にもしっかり歩道と街路樹がセットになっている

 気になる家賃は30平米、台所付きで3〜4万円程度。「都心で駐車場を借りるぐらいなら、つくばで第2のオフィスを構えたほうがいいかもしれない」。つくばエキスプレスで東京・秋葉原から1時間で、何かあればすぐ東京に出てくることもできる。長野市や軽井沢町、静岡市、仙台市など関東から数時間以内の魅力的な町はいろいろあるが、もし第2のオフィスを探しているのなら、つくば市も候補に入れてはいかがだろうか。

今回使った「OCNマイポケット」とは

 月額315円で10Gバイトまで利用できるオンラインストレージ。今回は写真を保存した上で、最大12枚まで写真を連続して再生できるスライドショーを活用した。


Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ