キーボードやマウスによる入力効率のアップに限界を感じている人は多いことだろう。今回はショートカット操作を足で行うことができる「USBフットペダル」に注目してみよう。
キーボードやマウス、さらにはタッチスクリーンと、PCの入力インタフェースはデバイスとともに進化しつつある。だが、それら入力インタフェースを操るのが「両手」である限り、操作を極める以外に、作業の効率を劇的に向上させる方法はあまりないと言っていい。
例えば日本語入力に限って言えば、自分に適したIMEをガンガン使い込んで辞書を鍛える、ショートカットを覚えるといった方法により、作業の効率を上げることは確かに可能だ。とはいえ、それらは日々の訓練によって徐々に効率に反映されるものであり、速効性があるわけではない。親指シフトのような特殊なキーボードは入力速度が早いと言われるが、それなりの学習コストを支払う必要があり、万人に合うというわけではない。
そんな中、日々の訓練を経ることなく、導入してすぐにそこそこの効果が得られる入力機器として、USBフットペダルに注目してみたい。キーボードやマウス、さらにはタッチスクリーンのように両手で入力するのではなく、足を使って補助入力を行うことで、作業の効率をあげようという考え方の製品だ。
USBフットペダル(USBフットスイッチなどとも言う)は、いくつかのメーカーから製品が発売されているが、おおむね共通の仕様としては、1〜3つのペダルに対して特定のキーのコンビネーションを割り当てられること。マルチメディアキーボードのホットキーだけを独立させ、足で踏んで操作できるようにしたものだと考えればよい。
USBフットペダルのメリットはなんといっても、キーポジションに両手を置いたそのままの状態で操作が行えることだ。例えば「Okoshiyasu2」のようなテープ起こしソフトであれば、一時停止や巻き戻しを行う際、従来であれば文字入力作業をいったん中止して操作を行わなくてはならなかったのが、本製品を使うとキーボードからの文字入力の最中に手を離さずに一時停止や巻き戻しが行えるのだ。ショートカットを押すことすらわずらわしい環境下では、これはかなりの効果をもたらす。
キー割り当てについては、PC側に専用のユーティリティを導入する製品から、本体のディップスイッチで割り当てる製品までさまざまだが、いずれの場合も、PCのキーボードで行えるショートカットであれば、ほとんどが割り当て可能だ。例えば[Esc]キー単体を割り当てることもできるし、[Ctrl]+[S]といった組み合わせを割り当てることもできる。また製品によっては、次のキーを押すまでの遅延時間を設定できる場合もある。
機能自体はごく単純であり、またハードウェアを購入しなくてはいけない点はネックだが、シンプルであるが故に速効性は高く、また既存の入力機器を取り替えるわけでもないことから、学習コストも最小限で済む。最近では実売価格が1000円を切る安価な製品まで登場しつつあり、手軽に試すには絶好の機会が到来している。上に挙げたポイントを頭に入れつつ、自分の作業環境にマッチする使い方を探してみてはいかがだろう。
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