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» 2011年08月02日 17時30分 UPDATE

プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術:経営会議の要点を図解思考でスマートにまとめる

経営会議とは、取締役や執行役員などが集って、事業の進捗確認や経営戦略の見直しを行なう重要なミーティング。通常、財務担当が期初に立てた予算と実績の数値を報告し、課題を解消する具体的な施策を検討するのが通例です。今回は、この経営会議の要点を、図解にまとめてみましょう。

[永田豊志,Business Media 誠]
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 突然ですが、関西地区の読者にお知らせです。8月5日18時から「図解思考の技術」と「スマートフォン」のコンビネーションで、仕事効率をあげる方法をNTTドコモのスマートフォンラウンジ梅田 ライブスクエアで講演することになりました。関西地区でお話するのは初めてなので、興味のある人は気軽に見に来てください(もちろん無料です!)。詳しくはこちら

 さて、今回の図解通訳は経営会議が舞台です。あなたは、経営企画室のメンバーとして出席し、役員が説明する会社の現状と課題、それに対して社長が打ち出そうとする営業提携のプランを1つの図解として記録し、後からメンバーに説明できるように資料を作ります。それでは、やってみましょう。


今回の経営会議は……

 5月20日、経営会議で、財務担当役員が今年度の予算に対する進捗を報告し、その後、社長が他企業との営業提携の話をしました。

財務担当役員 それでは、財務担当の私から予算と実績について報告します。今年度30億円の売上目標、3億円の利益を目標としていますが、半期がちょうど終了した時点で、売上は12億円、利益は1億円と通期に対して80%程度で推移しています。

 売上構成比は、受託開発事業が3億円、会計ソフト事業が4億円、技術者派遣事業が5億円。主力の会計ソフト事業で3億円予算よりショートしています。

社長 みなさんもお聞きの通り、この事業の早急な立て直しが必要です。そこで、この営業支援策として、X販売との営業提携を行う計画を進めています。X販売は、非常に強い法人販売チャネルを持っており、うちの会計ソフトのような商材を探していました。また、X販売が日本総代理店となっている広告管理ソフトは、うちの既存顧客へも案内できると思います。今回の営業提携は、お互いの商品を相手方の販売チャネルを使ってクロスセルすることを目的としたものです。

 さて、あなたはこの経営会議の要点をどのようにまとめますか? 私は以下のようなステップで図解化します。

ステップ1:基本部分から

 まずは、日付とタイトル、出席者の名前などを明記。メモの基本ですね。

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ステップ2:ヒアリング

 予算と実績の報告ということで、棒グラフなどを使って表現することを念頭に置いてヒアリングしていきます。この段階は、頭の試運転状態。

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ステップ3:実績と目標を比較

 財務担当役員が、通期の予算(目標数字)に対して、半期の実績の話をしています。通期予算の半分に対して、半期実績が80%ですから20%ショートしていることを示すとよいでしょう。目標とすべき地点と比較するのがポイントです。

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ステップ4:売上構成要素

 半期の売上の構成要素について「」を使って解説しています。構成比が%であれば円グラフが分かりやすいですが、ここでは絶対値なので、横棒グラフで数値の大きさを表現します。

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ステップ5:トピックに注目

 売上実績が目標未達成であるのは、会計ソフト事業のようです。会計ソフトの売上に斜線を引き、着目させ、目標であった売上に対して3億円足りなかった点をトピックとして表現します。

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ステップ6:矢印も活用

 会計ソフト事業の立て直しが急務です。社長によれば、問題解決のため、X販売との営業提携をすることになったので、課題となっている会計ソフト事業から大きな矢印で営業提携を図示します

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ステップ7:提携内容を確認

 X販売の顧客に対して当社の製品を、そして当社の顧客に対してX販売の製品を相互に販売する。このクロスセルを戦略として営業提携するという内容です。

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ステップ8:完成図のチェック

 ひと通り完成したら、全体図のチェックを行ないます。

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 今回出てきたような予実管理は、ビジネスの基本プロセスの1つです。グラフを効果的に使って目標と実績とのギャップを示せるようにしておきましょう。

 また今回登場した「クロスセル」以外にも、売上拡大の戦略として同一の顧客に対してさらに高単価製品を買ってもらう「アップセル」があります。こちらも覚えておくとよいでしょう。

集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』 『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』(永田豊志・著、中経出版・刊、A5判/208頁、本体1500円)

 パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。

 「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。


目次

  • 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
  • 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
  • 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
  • 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
  • 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
  • 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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