画面の明るさを下げる――テレビの節電、ピークシフトするなら昼間は録画節電DIY(3/3 ページ)

» 2011年08月16日 12時30分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]
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ピークシフトを考えると昼間は録画して夜中に見る

 次はテレビの録画機能の消費電力を検証してみたい。37Z1も26RE1もUSB HDDに録画が可能だ。実験してみると、テレビ視聴時に裏番組を録画していても消費電力の増加はなかった。また、再生時も消費電力の増加はなかった。ようするに、テレビを見ているときは録画、再生を行っても消費電力は増えないということだ。未視聴時に録画が開始されると37Z1は29ワット、26RE1は23ワットの消費電力が必要だった。

 録画するためのUSB HDDも電力を消費する。現在使用中のUSB HDDはケースがMARSHALのMAL-2635S、内蔵のドライブがWesternDigitalのWD20EARS(2Tバイト)。テレビの電源がオンになると連動して動作を開始し、スピンアップ時は十数ワットとなるが安定動作に入ると7〜8ワットを消費、録画、再生時も消費電力の変化はなかった。テレビの電源が入っている間は、録画や再生に関係なく7〜8ワットを消費しているので、少々もったいない気はする。

 次は「テレビのコンセントを抜くと節電」と耳にタコのできるほど有名な待機電力だ。カタログスペックでは37Z1が0.12ワット26RE1が0.3ワット。ワットチェッカーでは計測できないほど消費電力は少ない。0.12ワットは1カ月間つなぎっぱなしにしても86.4ワットアワー。電気代に換算すると約2円だ。仮に6時間視聴して18時間コンセントを抜いて節電できるのはエアコン(1200ワット)を6.5秒動かす電力と同じとなる。

 録画機能付きのテレビということもあり、筆者はテレビのコンセントを抜いていないし抜く気もない。注意しなければいけないのはEPG(電子番組表)の設定で、テレビによってはEPGをダウンロードするために数十ワットの消費電力を必要とする機種がある。設定で電源オフ時のダウンロードを停止しておけば、新しいテレビはそれほど待機電力を消費しないと思われる。

 ただし、現在テレビのコンセントを抜く習慣のある人は継続していただきたい。機種によっては数十ワットを消費している可能性もあるし、仮に1ワットでも全国で10万台、100万台のコンセントを抜けば大きな節電だ。

 待機電力で気になったのはテレビではなく録画用のUSB HDD。内蔵されたHDDの電源はテレビが未使用時にスピンドルの回転が止まりオフになるが、HDDケース自体は3ワットを消費し続けている。2.5インチのHDDに録画してバスパワー駆動にすれば待機電力はゼロになるし、HDD自体の消費電力もスピンアップ時で2.5ワット、安定動作時は2ワット程度になるので節電の面では検討する価値がありそうだ。37Z1の現状の消費電力を視聴時、録画時、待機時に分けて計算すると以下の通りだ。

テレビ本体 USB HDD 合計
視聴時 65ワット 8ワット 73ワット
録画時 29ワット 8ワット 37ワット
待機時 0.12ワット 3ワット 3.12ワット

 放送中に視聴すれば1時間で73ワット、その番組を録画して後から視聴すると73+37=110ワット。節電の面では録画せずに見た方がいいが、ピークシフトを考えると昼間の番組は録画して夜中に見た方がいいかもしれない。

 テレビは季節に関係なく1年通じて使用するので節電すれば電気代を抑えることができる。暗くすることの節電効果は高いので、購入時のまま使用している人は一度確認することをお勧めしたい。

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