11年目のほぼ日手帳、テーマは“スマイル”――ビジネス向け「WEEKS」も拡充手帳2012

ほぼ日手帳2012年版が9月1日に発売。11年目を迎える今年のテーマは「Smile」。大きな変更こそないが、カバーラインアップを中心に製品としての熟成が進んでいる。

» 2011年08月19日 09時20分 公開
[舘神龍彦,Business Media 誠]
2012年版について説明する糸井重里氏。「ユーザーに使ってもらってはじめて完成する製品だと思っています」と、ユーザーとの“チーム感”を強く感じているという
ほぼ日WEEKSの変更点。時間軸の代わりにドットになった
ほぼ日WEEKSのカラーバリエーションの1つ「タータン」。レッド(右)とグリーン(左)の2色

 東京糸井重里事務所は8月18日、東京・北青山で2012年版「ほぼ日手帳」の発表会を開催した。2012年版のテーマは「SMILE」で、9月1日に発売する。

 手帳のラインアップは2011年版と同じく文庫サイズの「オリジナル」、A5版の「カズン」、ビジネスマン向けの縦長サイズ「ほぼ日WKEEKS」の3種類。「今年はここが変わりましたという大きな違いはありません」と糸井重里氏自らが説明したように、オリジナル、カズンとも大きな変更点はなかった。一方、手帳カバーのバリエーションは史上最多となった。

時間軸をなくし、メモも増量――WEEKS

 大きな変更はないという2012年版のほぼ日手帳のオリジナルやカズンだが、大きな変更があったのが2011年版から加わった「ほぼ日WEEKS」だ。2011年版との違いは、見開き左の週間スケジュールページの時間軸。これまでは9、12、15、18と3時間ごとに記していた時間軸がなくなり、横線を3等分する2つの「・」を上部の罫に設けた。これによって、「午前」「午後」「夜」という区分で使えるようになる。横書きで書くのにもこの方が便利という理由である。

 方眼のメモページも75ページに増量し、ちょっとした大学ノート程度のメモスペースを持つことになった。本体カラーのバリエーションも増えた。昨年の黒に加えて「げんきな色」と呼ぶイエローやオレンジ、ブルーなど合計7色が登場。さらにレッド、グリーンの2パターンのタータンチェック柄が登場している。

 1日1ページの記入面下部にある“お言葉”もほぼ日手帳の特徴だが、ほぼ日WEEKSでは、週間スケジュール欄にビジネス向けの言葉を52種類用意した。吉田カバンとのコラボレーションによって生まれた「パスポートカバー」も登場。カバー中央のくぼみはペンホルダーとしても利用でき、内側にペンを収納可能だ。


(左)ほぼ日WEEKS用パスポートカバー。吉田カバンとの共同開発。背の中央にあるくぼみがペンホルダーになる。(右)収納力抜群のカバー「ジッパーズ」。ネイビーとグリーンの帆布素材タイプに、ハリスツィードタイプもあり

オリジナル、カズン合わせて史上最多のカバー

ずらりとそろったカバーバリエーション。オリジナル、カズン、WEEKS合わせて全68種類。なお、大きな変更がないというオリジナルとカズンだが、罫線の色は2011年版よりも若干薄くしているという

 内容の変更はないというオリジナルとカズンだが、WEEKSも加えたカバーバリエーションはほぼ日手帳史上最多の全68種類だ。原色系やパステル系の定番的なカラーに加え、や「アンリ・クイール」、吉田カバンと共同開発した「BLACK PORTER」、ほぼ日作品大賞を受賞した「sunui」など今年もコラボレーションモデルが多数登場している。

 中でもデザインブランド「ミナペルホネン」は、4種のカバーをラインアップ。このほかも布素材で作ったパターンをポリエチレンにプリントしたり(sunui「ジャーニー」)、チケットカバー部分にキャラクターがあしらわれていたり(ディズニー「プーさんの絵本」)、ハリス・ツィードを使ったモデル(ハリス・ツィード協会公認のラベル付き)も提供する。


(左)ディズニーキャラクターのカバー「ドナルド・ザ・セーラー」。チケットポケット部分には振り向いたドナルドをプリント。(右)布や毛糸で作った作品を撮影してポリプロピレン素材にプリントした「ジャーニー」。12本のしおりがついている。ほぼ日作品大賞(ほぼ日新聞主宰のプロダクトコンテスト)を受賞したsunuiさんによるカバーだ

11年目のほぼ日手帳は熟成期入り

 糸井氏によると、昨年からカバーに加わった「ミナペルホネン」のデザイナー皆川明氏を糸井氏自身は当初知らなかったと告白。一方、皆川氏は糸井氏にずっと興味を持っていて、糸井氏に会いたいという興味でオファーを引き受けたという。実際にあって話すうちに共通の知り合いが多くいることが分かり「いっきにディープなつながりになりました」(糸井氏)。

糸井氏(左)と「ミナ・ベルホネン」デザイナーの皆川氏(右)

 その皆川氏が今回の震災を受けて提案したのが黄色のカバー「smile」。奇しくも2012版のテーマと一致したもので、元気をイメージした黄色に笑顔をあしらった柄で、マジックなどで自由に絵を描き加えてほしいという趣旨だという。発表会では、皆川氏自らが即興でイラストを描き加える一幕もあった。


(左)自身の作「smile」のカバーに即興でイラストを描く皆川氏。(右)完成した即興版「smile」を掲げる糸井氏。事務所スタッフの名前入り

 ほぼ日手帳がはじめて登場したのが2000年。手帳本体の改良は小規模にとどまり、制作工程などの見直しに注力しているように見える。それは同時に手帳としての熟成を意味しているのだろう。

 各カバーバリエーションの発売時期などは、8月23日からほぼ日刊イトイ新聞のWebサイトで順次告知する。

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