Evernote 3.0 for Macがすごいあなたの不安、見積もります

Evernote 3.0のバージョンアップには驚きました。「今だけ繰り返し思い出したいが、長期で保存しておく必要は恐らくない情報」の置き場に困らなくなったからです。

» 2011年08月25日 16時20分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 個人的な思い入れもありますが、Evernoteのバージョンアップには驚きました。使い勝手が大変よくなっています。

 Evernoteを使い込む中で、ちょっと困っていたのが「分類に困る大事なノート」の存在でした。例えば「今だけ繰り返し思い出したいが、長期で保存しておく必要は恐らくない情報」などです。WindowsからMacに移行したばかりのころに作ったノート「『^』がcontrolキーを表す」などといった類の情報がこれに当たります。

 こういうのをわざわざ「マニュアル」などと名付けたノートブック(Notebook)に入れても、翌日思い出せなくなりかねません。長期保存する必要もありません。いったん記憶に定着したら、急に重要性を失う情報です。しかし定着するまではそのつどチェックしたい情報でもあるわけです。

 ですが「1日に1度、in-boxはゼロにする」という原則でがんばっている自分としては、この種の情報を「in-boxに置きっぱなし」にしたくはなかったのです。そうしてしまうとすぐ際限なくin-boxに一定数の情報がたまってしまうからです。

 これまでのところこういった情報はやむなく

  • 「.important」

 というタグに分類。ピリオド(.)を冒頭に入れればタグリストの一番上に来るので取りあえず他の項目との区別はしやすくなりましたが、どうもしっくり来ていませんでした。ただ「重要」などといってもそこに何が入っていたのだか、開いてみるまで分からない。そういう分類項目はたいてい、開く気が失せてしまうものです。

 この悩みがいきなりEvernote 3.0のMac版で解決です。Favorite Bar(つまりお気に入り)が、ノートの上にショートカットとして表示できるようになったからです。先のようなどうにも分類に困るノートは、お気に入りに直接残してしまえばいいわけです。使わなくなったら消去するのも自在です。

 しかもお気に入りには

  • Notebook
  • タグ
  • 保存された検索
  • ノート本体

 これらのいずれも残しておけるのです。必要だけど階層が深くなって忘れてしまいそうなタグや、頻繁(ひんぱん)に利用する「保存された検索」などをここに置いておくと、非常に便利です。

 さらにNotebookとタグに関しては、もともと検索できますが、Favorite Barから絞り込めます。さほどひんぱんに使う機能でもありませんが、これからは利用するを念頭に置きつつ、命名に工夫をしておくと便利でしょう。


筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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