もう1つのセールス系アプリ「CRM」は、営業活動をWebから管理するためのツール。有名どころだとSalesforceのようなツールで、顧客リストを管理したり、打ち合わせなどの記録を残したりできる。
筆者にとって顧客とは取材や執筆の発注元のことだ。今回お仕事を依頼してくれたアイティメディアさんも立派な顧客である。いろいろな会社から仕事を請け負ったら、管理もそれなりに大変になってくる。これまでは適当に手帳などで日時を記しておけばよかったが、もしかして超売れっ子になってしまった場合はしっかり管理が必要だ。筆者もいまのうちからCRMに慣れておきたい。
CRMを起動すると、いくつかのメニューが並ぶ。まずは既存の取引先や連絡先を入力、あるいはインポートし、現在の仕事の状況を入力してみよう。
営業に出かけて商談をしたら「商談」という項目にその詳細を、営業電話をかけたら「電話」という項目に記録する。通話記録は電話の相手の名前を入力し、通話を開始すると同時にストップウォッチのように時間も記録できる。
ほかにも「タスク」「予定」などを登録すれば、グループウェアのように利用することもできる。また「キャンペーン」という項目からは見込み客に一斉メールを送れたりと、営業支援のフェーズにも利用できる。見込客の発掘からマーケティング活動、商談獲得、サポートまで一連の営業活動をメンバーで共有でき、一括管理できるのがSkyDeskの強みだ。
もちろん、さっき読み込んだばかりの名刺情報だってCRMにひも付けられる。CRMは営業ツールだとばかり思い込んでいた筆者にとって、これは衝撃。だって、実は名刺情報をCRMにひも付けるだけで何となく顧客管理ができる感じがするからだ。もちろん実際は先ほどの「商談」であるとか「電話」などと入力する必要があるのだが、名刺というリアルなきっかけとリンクするだけで格段に入力のモチベーションがあがるから不思議だ。
これらのCRM機能もiPhoneアプリから利用できる。「SkyDesk Mobile」を起動し、CRMをクリックすると、その日に入っている予定やタスクを確認できる。タスクや予定はiPhoneアプリからも新規に作成できるようになっている。
今回は名刺管理のCardsと顧客管理のCRMをレビューしたが、どちらも筆者のような個人で仕事をする者には十分すぎる機能を備えていた。特にCRMはある程度の規模の企業ではないとほぼ使いこなせないほどのラインアップだ。これがすべて無料というのだから、筆者のようなフリーランス以外にもSOHOや中小企業のユーザーは使わない手はない。
一方のSkyDesk Cardsは一般的な会社員の方々でも日常的に使ってみたいアプリだ。日ごろから「名刺をデジタル管理してみたい、でもいきなりスキャナーを買うのはちょっと……」と思っている人は、SkyDesk Cardsでデジタル化の第一歩を踏み出してみてほしい。すでに手元にある名刺はデジカメで撮影してPCから一括で取り込み、新しい名刺はその都度iPhoneで撮影すると便利だ。OCRの精度も高いのできっと重宝するだろう。次回はPC版とiPhone版のSkyDeskを使ったリアルタイムな情報共有を掘り下げる。
富士ゼロックスのクラウド型グループウェア「SkyDesk」をテーマに、ライフハッカー[日本版]、TechWave、マイコミジャーナル、そして誠 Biz.IDの4誌が共同特集を始めます。本誌では某Webメディアを辞めたばかりの鳴海記者を起用。フリーランスになったばかりの彼は、どのようにSkyDeskを活用していくのでしょうか――。なお、巻末の関連リンクから各誌の記事にアクセスできます。
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