アナログノート+高精度OCR――スマホ連係「KYBER SmartNote」仕事耕具

売り上げ好調な、スマートフォンと連係する紙のノート。書いたメモをスマートフォンで撮影してデジタル化するのが特徴だが、ついにテキストデータにOCR処理が可能な「KYBER SmartNote」が登場する。

» 2011年09月14日 18時20分 公開
[鷹木創,Business Media 誠]
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先行するショットノートやキャミアップは、ストレージ部分が別のサービスを利用するが……
今回のKYBER SmartNoteはOCRしたデータのストレージも統合しているという

 書いたメモをスマートフォンで撮影してデジタル化する紙のノートが売れている。2月に発売したキングジムの「SHOT NOTE(ショットノート)」は国内で数十万部を売り上げた。コクヨS&Tでも同様のノート製品「CamiApp(キャミアップ)」を9月7日に発売した。

 9月16日、単なる画像データではなくテキスト部分をOCR(光学式文字読み取り装置)で処理してテキストデータ化できる製品が登場する。それがオーリッドが発売する「KYBER SmartNote」だ。

 大きさは60×115ミリ(幅×奥行き)の縦長サイズ。枚数は30枚(記入面は29枚)で、価格は1冊499円。当面はAmazon.co.jpで3冊パック10冊パックの販売となる。アプリは無料でiPhone 3GS/4に対応。Android端末用アプリは10月に予定している。

 KYBER SmartNoteは、記入面の四隅に配置したマーカー内に筆記した内容を専用アプリ「O-RID KYBER」で撮影することで全文認識が可能なスマートフォン連係ノートだ。撮影したデータをアプリを通じて、オーリッドのデータセンターに送信し、データセンター側でOCR処理を行う。最短で30秒ほど、長くても10分ほどでOCR処理が完了するという。「OCRできないケースは0.1%ほど」(オーリッドの三浦雅弘代表取締役)で、既存のOCRソフトよりも飛躍的に高精度なOCR結果を得られるとしている。


四隅のマーカーを基点に画像を自動補正

読み込んだデータは数分経過するとOCR処理が終了する。確認画面には読み取った画像とテキストデータを両方表示

QRコードを撮影してアクティベート

 撮影したメモやOCRしたテキストデータは、EvernoteやFacebook、Twitterなどに直接投稿できる。ただしOCRできる回数には制限があり、初回アップロード時にはノート内のQRコードを撮影してアクティベートすることで、KYBER SmartNote1冊につき29回のOCR処理が可能。

 それ以上のOCR処理を行う場合は再度KYBER SmartNoteを購入し、アクティベートする必要がある。また、KYBER SmartNoteに記入した以外の内容もOCR処理をかけられるが、この場合は通常のKYBER利用料が必要だ。


 オーリッドではこれまで、企業向けに大量の業務帳票をデジタルデータ化。1枚の帳票を記載項目ごとに複数エリアに細かく切り分けて、多数のオペレータに少しずつ仕事を分散配信するシステム「画像分割ソリューション」を採用している。

 例えば名刺1枚分のデータ化であっても、社名や電話番号、氏名などの項目ごとに分かれて作業するため1枚の名刺全体イメージを各オペレータが目視することはできない仕組み。このため情報漏えいを防げるという。今回のKYBER SmartNoteでもノートの1行単位で別々のオペレータが作業するので「ノートに書かれた文脈を理解するのは不可能」(三浦氏)としている。

 今後はKYBER SmartNoteにあったカバーのほか、一般的なメモ帳サイズのA7、小ぶりなノートサイズのA6など、順次発売する予定。

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