東日本大震災では約200件、もしエレベーターに閉じ込められたらどうする?防災・防犯ラボ(2/2 ページ)

» 2011年11月15日 11時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]
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中山 日本エレベータ協会はエスカレーターも管轄していますが、一般的にはどのような事故が起きやすいのでしょうか? また、エスカレーターでの事故を回避するためのアドバイスはありますか?

広田さん 基本的なアドバイスになりますが「走らない」「靴や服が巻き込まれないようなるべく内側に立つ」「手すりを持つ」の3点ですね。ちなみに、エレベーターよりもエスカレーターの方が圧倒的に事故率は高いです。何しろ、稼働する機械の上に直接立ったり歩いたりするわけですから。最近多い事故としてキャスター付カバン(小さいタイヤがついたゴロゴロ転がすタイプのカバン)の落下が挙げられます。手を離した隙にガタガタッと転がってしまうので、しっかり握っていてください。

中山 エスカレーターでのマナーとして、片側が歩く人用、もう片側が歩かない人用というのがありますよね。あれはエレベータ協会による啓蒙のたまものなのですか?

広田さん いいえ。よく誤解を受けるのですが、当協会は一切関知していませんし、啓蒙もしていません。恐らく自然発生的に生まれたマナーではないでしょうか。

中山 最後に、エレベーターにまつわるちょっとした裏技がもしあれば、こっそり教えていただけませんか?

広田さん では、誰でもすぐ実践できるエレベーターでの節電テクニックを1つ。ご自分がエレベーターの最後の乗客だったら、降りるときに「閉」ボタンを押して出てください。自動でドアが閉まるよりも早くドアが閉じ、そのぶんカゴ内の照明が早くオフになるので、節電になります。利用者の少ない昼間のマンションなら(若干ですが)効果が期待できますよ。覚えておいてください。


 いかがでしたか? 日本のエレベーター技術の水準の高さをあらためて実感できたのではないでしょうか?

 まとめると、

  1. エレベーターはロープが切れても落下しないし、切れることはまずない
  2. 揺れを感じたら、階のボタンを全て押す
  3. 万が一閉じ込められても、慌てずインターホンで連絡を取れば問題なし
  4. 災害時は利用しない

 です。エレベーターという密室に閉じ込められてしまうと、きっとものすごく不安を感じると思いますが、恐れるに足らずということがご理解いただけたのではないでしょうか。

著者紹介:中山順司(なかやま・じゅんじ)

 シックス・アパート株式会社 / スキナヒト製作所 所長。1971年生まれ。Covenant College(米国)卒業後、携帯電話キャリアでマーケティングと営業に携わり、2000年にネット業界に転身。旅行予約サイト(現楽天トラベル)で観光旅行コンテンツビジネスを立ち上げ、その後始めた個人ブログがキッカケで、ブログソフトウェアベンダーのシックス・アパートに(現職)。

 2010年12月、フツーの男女のフツーの出会いをプロデュースすることに特化した、世界一マジメな恋愛インキュベーション・プロジェクト「スキナヒト製作所(β)」を設立。


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