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» 2011年11月30日 11時00分 UPDATE

防災・防犯ラボ:iPhoneがハザードマップに!? 「ARハザードスコープ」を使ってみた (1/3)

東日本震災直後は携帯電話がつながりにくかったり、交通機関がまひして帰宅困難が続出――という事態が起きました。そうした状況下に重宝できそうなハザードマップアプリがあったので、早速試してみました。

[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

 AR(拡張現実)という技術をご存じですか?

 ARとは「現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを指す言葉(出典:Wikipedia)」。つまり、現実の環境(の一部)に対する付加情報として、バーチャルな物体を電子情報で合成提示することです。

 ARを使った身近な例としては「セカイカメラ」が有名ですね(関連記事:セカイカメラ入門――世界にタグを付けまくろう)。それ以外にもARはさまざまなシーンで導入されています。

 例えば自分の全身写真に合わせてお気に入りの服が選べるシミュレーションサイト「ecloth」。さらに街中のある家具店では、店頭置いた大型液晶画面で商品を自分の部屋に設置したときのバーチャルな様子を確認できるなどの試みをしています。

 私はまだARのお世話になった機会は(自覚する限り)ないのですが、何だか楽しそうな技術です。そんなAR技術を防災に活用したiPhoneアプリ「ARハザードスコープ」があるようで、開発元のキャドセンターに話を聞いてきました。


sk_ar01.jpg 「ARハザードスコープ」開発元キャドセンターの古川修さん

 AR技術でハザードマップを実現することで、例えば紙のハザードマップを持っていなくてもスマートフォンで代用できますし、土地勘のない場所で急に震災に合った際にも確認ができます。

 では、ARハザードスコープの概要から紹介します。

避難所、火災、浸水、倒壊――をiPhone1台で

 ARハザードスコープは、iPhone内蔵カメラで撮影した映像にリアルタイムで現在地の防災情報を合成表示するiPhoneアプリ。(1)避難所の場所(2)火災危険度(3)浸水危険度(4)建物倒壊危険度という4つのハザード情報を可視化でき、表示情報は必要に応じて切り替えが可能です。

 現在はまだ一般公開はしていませんが、2012年3月の実用化に向けて鋭意開発を進めています。用途としては、一般ユーザーのほか、学術機関の研究や自治体の減災対策、教育期間の防災避難教育での利用を想定しています。

 では実際の機能を見ていきましょう。アプリを立ち上げると、画面上半分にカメラの映像を、下半分に地図を表示します。自分の現在地とカメラをかざしている方向が直感で分かるので、特別なマニュアルがなくても操作ができました。

sk_ar02.jpg

 火災情報、浸水情報などは、ハザードマップを切り替えてもこの画面構成を維持したまま表示します。地図はズームイン、ズームアウトできるので、詳細と広域両方でハザード情報を確認できます。

 具体的なハザード情報の表示ですが、まず(1)避難所の情報(下画像を参照)は、建物の名称とそこまでの直線距離が現れます。画面と地図の両方に“人が走っているアイコン”が、避難所を示すマーク。地図を見れば、どの方向にiPhoneをかざしているかが一目瞭然で分かります。

sk_ar03.jpg
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