バイドゥがSimejiを買収――タブレットに特化した日本語入力システムなども検討

検索サイト「Baidu」を運営するバイドゥは、Android端末向け日本語入力システム「Simeji」の事業を買収。「Baidu IME」と合わせてプラグイン機能などが充実した日本語入力システムの開発を進める。

» 2011年12月13日 14時14分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]
左からバイドゥの陳海騰副社長、張東晨社長、Simeji開発者の足立さん、矢野さん

 バイドゥは12月13日、Android端末向けの日本語入力システムアプリ「Simeji」の事業を取得したことを発表した。2011年3月にリリースしたPC版日本語入力システム「Baidu IME」との融合を図り、プラグイン機能の充実したカスタマイズ性の高い、より使いやすい日本語入力システムにしていくという。

 Simeji買収に併せて、Simejiの開発者である足立昌彦さんとデザイナーの矢野りんさんは、バイドゥに入社。引き続きSimejiの企画、開発業務を担当する。今回の発表について足立さんと矢野さんによると、2011年夏ごろから話が進んでいた。2人は「これまでやりたいと思っていたSimejiの新機能をさらにスピード感を持って開発できる。バイドゥは技術者、人を大切にする企業文化を持っていて、将来性もある。新しい環境で開発を進められるのが楽しみ」とコメント。今後実現したいこととしては、いろいろあるが「タブレットに特化した日本語入力システムを出したい」としている。

Baidu IME。IT用語、芸能人名、2ちゃんねる用語、郵便番号辞書、四字熟語、ギャル用語、ファッションブランド名といった7つのオプション辞書を任意で追加できる機能なども搭載

 Baidu IMEは、PC向けの無料日本語入力システムで、対応OSはWindows XP、Vista、7(32/64ビット)。2011年11月の月間ユニークユーザー数は約180万人。Simejiは、2008年にリリースしたAndroid端末向け無料アプリで、キーボードの背景デザインを変更できるなど、100種類以上のプラグインアプリが存在する。足立さんによると、これまでの総ダウンロード数は約180万。

Simejiの背景デザインを変更した例

 今後の具体的なロードマップは明かしていないが、Baidu IMEとSimejiの製品企画、製品開発、事業開発およびマーケティングの一元化を進めることで、各ユーザーにとってより利便性の高いサービスを迅速に提供していく考えだ。

 バイドゥの張東晨社長は、「日本は、バイドゥにとって最初の国外市場であり、重要視している国際化の第一歩。モバイル端末向けのサービス提供というもう1つの戦略と合わせて本発表のような取り組みを進めていきたい」と述べた。なお中国国内では、バイドゥのOS、プラットフォームを搭載したオリジナルスマートフォンの提供なども予定していることを明かした。

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