1日5分でできる「分かりやすい説明書の書き方」指導術説明書を書く悩み解決相談室(2/3 ページ)

» 2011年12月22日 11時00分 公開
[開米瑞浩,Business Media 誠]

成果を求めるならプロセス改善が必要

 まずはこちらのチャートを見ていただきましょう。

 後藤さんが問題にしていた「社員が書いてくるリポート」はこのチャートでは「成果物」に当たるものです。成果物は何らかのプロセスを経て作られるので、良い成果を求めるなら、プロセスを改善しなければなりません。

 ところが、後藤さんが言うには「駄目なところを見つけて直してやっても、次に書いてくるリポートではまた似たような失敗をしている」そうです。これはどういうことかというと、

 「駄目なところを見つけて直す」行為が「成果物への評価」にはなっていても、「プロセスへのフィードバック」としては役立っていない。

 ということなんですね。

 もちろん後藤さんとしてはプロセスの改善を願っているわけですが、それがうまく行っていない。であれば、プロセス改善につながる働きかけが必要です。それは一体どんなことでしょうか?

 実は前回の「地味な『基本動作』がエラー率の低減につながる法則」にその答えが書いてあります。

 つまり、「分解・分類・見出し付け」。これを意識的にやる必要があるんですね。これをしっかりやっていれば評価をフィードバックとして、どこでしくじったのか? を意識し、次回につながる改善ができます。でなければ、応用が効かずに似たようなミスを繰り返すことになります。

後藤 じゃあその「分解・分類・見出し付け」をするように、と言えばいいんですか?

開米 社員の文書化能力向上のためには、ということですね?

後藤 そうです。

開米 その通りです。実際、これをやらなきゃいけないということ自体、知らない場合が多いですから。本当は高校辺りで国語教育の一環でやるべきなんですけどね。それと……。

後藤 それと?

開米 社員教育という観点で考えると、日ごろの業務の中に自然に組み込む形で数分間で指導できて効果が積み重なっていくような、そんな方法があるとありがたくないですか?

後藤 そりゃありがたいです! あるんですか?

開米 あるんですよ。

後藤 えっ! それは?

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