ライフログサービスとしての「Path」が結構面白いあなたの不安、見積もります

ソーシャルネットワークアプリ「Path」をご存じでしょうか。気持よく操作できるユーザーインタフェースが特徴なのですが、私は最近このアプリをライフログに利用しています。

» 2012年01月06日 16時20分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 Path.comが提供しているソーシャルネットワークアプリ「Path」(無料)を使っているのですが、これがなかなか面白いです。基本的にはライフログを残すためのサービスだと思いますが、私にとってライフログを残す意味をとてもよく感じさせてくれるサービスなのです。

 例えば上の画像は2011年の大晦日に年越しそばを食べにいったときの写真ですが、真ん中下の方に薄く「15:21土曜日」とあるのが見えるでしょうか? つぶやきにも写真にも指でなぞればこの日次表示がスッと出てくれるところがとてもいいのです。「現在からその時まで」時間を巻き戻しているような錯覚を感じさせます。

 ログの新規入力は画面左下の+ボタンをタップします。すると右下のような画面が現れます。アイコンがいくつかあるとおり、写真を撮ったり「4square」と連動させて居場所を残したり、つぶやいたりできます。また睡眠管理アプリ「おはようパンダ」(230円)のように就寝時間と起床時間もログとして残せます。


ログの新規入力は画面左下の+ボタンをタップ。すると右のような画面に

 ただし、残念なこともあります。記録した写真や「つぶやき」、あるいは「チェックした場所」などをTumblr、Facebook、Twitter、4Squareなどに残せるのですが、それ以上のことは何もできないのです。例えば直接Evernoteにも送れません。Twitterには投稿できますが、それも1つのアカウントだけ。複数アカウントには投稿できません。しようがないので私はEvernote用にTwitterの非公開アカウントをもう1つ作り、Pathからはそこへ全て送るようにしています。そしてTwitter経由でEvernoteに取り込んでいるのです。

 これ以上に残念なのが、どこからもPathへデータを取り込めない点です。例えばライフログを意識的に残している人ならば「Miil」「Instagram」をお使いの可能性は高いでしょう。当然それらを使ったら、自動的にPathと連携させたくなります。

 早い話、Miilで食事の写真とデータをとったら、Pathを起動させなくても、Pathにデータが行くようになっていて欲しいと思うわけです。しかしそういう風には一切なっていません。Pathにデータを集中させるためには、Pathを起動させるしかないのです。

 それほどまでにPathを起動させようというのですから、Pathにログを集中させ、そこからFacebookやTwitterやEvernoteなどに選択して情報を出していきたいと思うわけですが、それについても前述の通り中途半端です。

 にもかかわらず気がつくと私はPathを使い込むようになっています。今のままではこれから先もずっと使うかどうか何とも言えませんが、抜群に優れていると思うのは、最初に述べた「振り返りのしやすさ」にあります。ただただ時系列に沿ってさかのぼるだけですが、少なくともそのことに関する限り、他のどんなサービスよりも「記憶をよみがえらせている感覚」を味わうことができます。

 ただどうしてもPathだけではライフログが完結しません。独自機能の充実を急ぐとともに、連係機能も拡大していって欲しいと願うばかりです。

新コーナー【先月の木曜日】

 今回から蛇足的にこのコーナーを設けたいと思いました。私は本連載で「こんな方法」や「あんなガジェット」を紹介してきていますが、

  • 今もあの方法やっているの?(疑わしいまなざしで)
  • 絶賛していたあれ、まだ使っているんですか?(疑わしいまなざしで)

 などと質問を受けることが当然多いわけです。ご想像の通り、紹介時には熱くなっていたものの、ひと月も立つと熱が冷め、ふた月後には使用頻度ゼロになることしばしば。そこで、検証することにしました。先月「熱く紹介した」ものを、今日になっても続けているのかどうか? ある種の懺悔録のようなものになりそうですが、おつきあいいただければ幸いです。

 では第1回。先月の記事はこちらでした。

 これは今でもやっています。よかったです。確かにまどろっこしく感じることもありますが、膨大な同期時間からの解放を思えば何ほどのこともありませんよ。


筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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