しかし、一方でコンピュータがとっても苦手で人間が得意なものがあります。それは「パターン認識」です。
パターン認識とは、画像、音声、文字など雑多な情報の中から「意味」のあるものだけを取り出す情報処理能力です。
人間の脳はまったくタイプのことなる問題においても、過去に出会ったことのあるものの中から瞬時に似たものを探し出し、応用できます。画素の固まりでしかない情報に対して映像を認識したり、話し相手の表情から相手の考えていることを察知したり、ある音楽を聞いたときに別の音楽を思い出したりできます。
こうしたパターン認識の力を問題解決に使えば、初めて出会う問題であっても過去にうまくいった処理方法でやってみる、過去に失敗したパターンに近いから別の方法を検討してみる、といった応用が可能となります。これは人間にとっては当たり前の能力ですが、コンピュータでは精度と速度の面で到底、実現が難しい分野です。
図解で情報を整理しながら勉強する方法は、このパターン認識の力を使います。同じ形であれば、同じ意味を持ちます。同じつながり方であれば、同じ関係性を持つはずです。図解を使うことで、自然と人間の一番得意とする、そしてコンピュータにはまねできない能力を使って、効率的に学習することができるのです。
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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