airpenPocket++はiOSに対応する。つまりiPadでも利用可能だ。そこで、発売して間もない「新しいiPad」(第3世代iPad)でも利用感を試してみた。
新しいiPadとairpenNOTEの組み合わせで驚かされたのは、その精細感だ。今回比較対象としたiPhone 4とIS05は画面サイズ4インチ以下。2012年時点での最新Androidスマートフォンと比べるとさすがに画面が小さいこともあって、デジタル化したメモの字も、標準状態ではかなり小さく見える印象がある。
もちろん、ピンチインやピンチアウトで表示サイズを拡大縮小させれば、どんな端末であっても文字が小さすぎたり、大きすぎたりして困るということはない。しかし、iPadのRetinaディスプレイの表示精細度は圧倒的で、非常に見やすい。取り込んだデジタルメモを一目で把握するという意味に限定すれば、iPadはスマートフォンより間違いなく有利だろう。
もう1つ意外な効果もあった。iPadの魅力は9.7インチという画面サイズにもある。このため、いったん取り込んだデジタルメモに、airpenNOTE上からのラクに追記できるのだ。
すでに述べたが、airpenNOTEは単独でも指タッチによる手書き操作がある程度行える。スマートフォンでは画面サイズゆえにどうしても指を動かせる範囲が狭い。タッチパネル側の入力解像度の関係で紙の上に書くような細かな文字を書くことはできないが、iPadならその心配も無用という訳だ。
ここまで見てきたように、airpenPocket++はiPhoneやiPadに対応したことにより、活用範囲がさらに広くなった。スマートフォン市場で大きな存在感を示すiPhoneに対応したことは、それだけでもかなり意義のあることだろう。個人的に煩雑な印象があったBluetoothのペアリングも、特に戸惑うことなく行えた。デジタルペン初心者でも、難なく使い始められるのではないだろうか。
一方、課題もある。airpenはメモリーユニットと専用ペンの併用により、筆記位置を相対的に割り出すという方式を採用している。そのため、ペンだけ取り出して、メモリーユニットを服のポケットに入れたままメモするといったことが原理上できない。特に「愛用の手帳に立ったままメモをとりたい」という人のニーズを完璧に実現するには、愛用の手帳にメモリーユニットをあらかじめ固定するような何らかの工夫が必要だ
もちろんぺんてるでは、メモリーユニットを取り付けられるA5ノート用の下敷きも別売りで発売しているが、手帳やメモ帳、ペンといったものは個人的な嗜好が強く反映される製品分野であるだけに、airpenの使用をサポートするためのグッズや、ペン自体のバリエーションを一層充実させてほしい。
とはいえ、今回新しくリリースしたiOS版airpenNOTEは、初期リリースながらなかなかの完成度。個人的には使いやすいと感じた。Android版アプリもこれに準じたアップデートを期待したい。
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