グーグル、オフラインでも使える地図を6月末から提供、日本の地図は対応未定

グーグルはオフラインGoogle マップを6月末に開始すると発表。Googleマップ上のある地域を指定してダウンロードすることで、オフラインでも利用できるという。ただし、日本の地図は対応未定。

» 2012年06月07日 14時30分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 グーグルは6月7日、Google マップのサービスインから7周年を記念した会見でオフラインGoogle マップのリリースと、Google Earthの3Dモデルのリニューアルを発表した。6月6日にサンフランシスコで行った発表を、日本向けに改めて行った形となる。

 オフラインGoogle マップは、Google マップ上のある地域を指定してダウンロードすることで、オフラインでも利用できるという機能。米国や欧州など約100カ国に対応地域があり、シドニー、ニューヨーク、ロンドンなどの地図が利用できる。サービスインは6月末を予定しており、まずはモバイル端末向けにスタートし、その後PC向けにも展開するという。

 ただし、日本国内の地図のダウンロード対応については未定。「今回ダウンロードして使える地図は、グーグル独自で作った地図が対象。地図のプロバイダーからライセンシングしている地域に関しては、現時点ではダウンロードできない」(グーグル後藤正徳氏)

オフラインGoogle マップ。都市を指定して、ダウンロードする

 また、Google Earthでは2005年から3Dモデルを提供しているが、モバイル端末向けの新しい3Dモデルの提供も発表した。

 2005年の3Dモデルではビルに高さデータを加えただけのものだったが、2008年に衛星写真データを追加するといった改善を行った。しかし、「ビルがないところは立体的に表現できなかったり、ビルも3Dで自動的に表現したものでないことがあった」(グーグル村井説人戦略事業開発マネージャー)。

 近日中にモバイル端末向けに公開する新3Dモデルでは、高さデータを加えたグレーボックスに、さまざまな角度からさまざまな写真を貼りつけることによって、不自然ではない形で風景を表現することに成功したという。また、ビルだけでなく、地形も3D化する。

2005年のGoogle Earth3Dモデル。ビルがグレーボックスになっている
2008年のGoogle Earth3Dモデル。衛星写真データを貼り付けることで現実に近づいたが、手前のタワーなどは自動生成したものではなく、別のアプリで作った
新Google Earth3Dモデル。さまざまな角度の写真を同時に見ることで、ある1つの物体を立体的にとらえるという立体視の技術を使った

グランドキャニオンもGoogle ストリートビューに

 2005年にスタートしたGoogle マップ。Google マップで見られる地域の人口カバー率は、2006年の37%から、2012年には75%まで増加。また、Google ストリートビューは39カ国のデータをカバーし、撮影のためのクルマの走行距離は800万キロに及ぶという。

 Google ストリートビュー撮影のため、グーグルではクルマのほか、モービルやバイク手押し車などを使用してきたが、この度新しく背中にバックパックを背負って撮影する「トレッカー」を導入。クルマなどが入れない場所の撮影が可能となり、グランドキャニオンなどがGoogle ストリートビューで見られるようになる。

これまでGoogle ストリートビューの撮影に使用してきた機器(左)、新しく導入するトレッカー(クリックで拡大、右)

 グーグルの徳生健太郎製品開発本部長は「膨大な情報量を整備することで、地球上をなるべく忠実に再現し、ユーザーに分かりやすい形で提供していくというチャレンジは、7年経った今でもまだ際限ないものだと思っている。この仕事をしていると、地球にはものすごくすばらしいところがあると思うのだが、そういうものをユーザーに届けられる夢のある仕事ということで、続けていきたいと思う」とコメントした

グーグルの徳生健太郎製品開発本部長

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