インタビュー
» 2012年09月14日 10時00分 UPDATE

復興の現場:社長直轄「ヤフー石巻復興ベース」は石巻の成果を全国へ発信できるか (1/3)

7月30日、ヤフーが宮城県石巻市に「ヤフー石巻復興ベース」を開設した。この復興ベースは社長直轄の部署で“爆速”を掲げる新生ヤフー経営陣の意思決定が素早く反映されるというが、その成果は全国に広がるのだろうか。

[まつもとあつし,Business Media 誠]
st_yb01.jpg ヤフーの須永室長。震災以前はビジネス開発を担当。外部とのアライアンス経験を復興に活かす

 7月30日、ヤフーが宮城県石巻市に「ヤフー石巻復興ベース」(以後、復興ベース)を開設した(関連リンク)。震災直後の津波で1階部分が津波の被害を受けた、河北新報の石巻河北ビル。そこをヤフーが借り受けた。5人の社員が常駐し、地元住民やボランティアとの交流スペースも用意している。

 この夏、復興ベースを統括する須永浩一室長(ヤフー復興支援室)に石巻での活動内容を聞いた。


開所以来、コミュニティスペースへ――コワーキングスペースも用意

――7月の開所から1カ月ほどが経過(8月21日取材)しましたが、どんな人がここを訪れ、どのようなコミュニケーションが生まれていますか?

須永 東京ミッドタウン(赤坂)のヤフー本社と異なりセキュリティカードのようなシステムもありませんので、地元の人やNPO、ボランティアの人々がここには自由に出入りできます。開所以来さまざまな人が訪れ、ここからコラボレーションやコミュニケーションが生まれるという手応えを感じています。

 キッチンがありますので持ってきてもらった地元の食材を皆さんと一緒に料理して食べたり、夜はお酒を交わしたりしています。これはこの後お話する現地の食材を使った商品作りにも役立つものです。

 また、まだ本格的には稼働していませんがコワーキングスペースも設けています。ここで外部からやってきた人々が私たちと同じ場所で作業したりもできるようになっています。

――開所時間は決まっているのですか?

須永 朝9時半ごろに私たちは“出社”します。終わりも厳密に決めているわけではなく、ここに来た人たちが帰るまで、ということになっています(笑)。特にアポイントなどがなくても、ここを会合に使ってもらったり、自然にコミュニケーションが生まれたりする場になりつつあります。

情報発信はまとめサイトなどを模索

――確かに、私がここに来てから2時間ほど経ちますが、取材中も頻繁に地元やNPO団体のメンバーが来訪していますね。具体的にはどんな相談があるのでしょうか?

須永 大きくは2つあります。1つは情報発信のお手伝いです。我々はネットメディアやポータルサイトであると認知してもらっていますので、インターネットで活動やイベントなどの際に「どうすればそれをより多くの人に知ってもらい、その情報が広がるのか?」というご相談ですね。

――情報発信という面ではこのビルに入る河北新報とは連携しているのでしょうか?

須永 まだ話し合いを進めている段階ではありますが、この場所を貸してもらっている河北新報とも情報発信、例えば東京と地方紙、あるいはネットニュースと紙の新聞との連携といったモデル作りで何か一緒にできないかとは考えています。

 (河北新報は)高年齢層の購読率も高いですし、ローカルに存在する情報への取材力、またそういった情報の発信力では我々も敵わない面も多々あると正直思いますので。例えば地域に向けた情報発信は河北新報さんに引き続きお願いしつつ、全国への情報発信を我々がお手伝いさせて頂くといった形が考えられるかと思います。特に復興にもつながる観光客誘致には私たちのできることが多いはずです。

 経営陣は怒るかも知れませんが、いま現地では切実な情報発信のニーズがあります。ですので、その部分でお金をもらうということはありません。動きながら考えているところではありますが、単純にYahoo!JAPANに情報を掲載するだけでなく、まとめサイトのようなものを用意して、発信側の受け手のニーズをマッチングさせつつ、各活動の最新情報を紹介するという形も取れないかと。その際には特集ページの構築などヤフーにすでにある知見が活かせるはずです。

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