「やってみる」ことから「やりたいこと」が見つかるRe:Work !(1/3 ページ)

会社勤めをしている人には「趣味はありますか?」という質問になかなか答えられない人が多い。そして「趣味っていっても、そんな時間ないから」なんて言うのだ。この「時間がないから」には、2つの意味がある。

» 2012年09月13日 11時10分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 「趣味はありますか?」と聞かれて、即答できる人はどのくらいいるだろうか。会社勤めをしている人の中には、この質問になかなか答えられない人が多い。そして「趣味っていっても、そんな時間ないから」なんて言うのだ。

 この「時間がないから」には、2つの意味がある。

  • 趣味をする時間がない
  • 趣味を見つける時間がない

 似ているようで、この2つは全く異なる。

 前者は「趣味はあるけど、実際にできる時間がない」というもの。それならば、過去の連載でもお伝えしたように時間を「作る」努力をすれば良い。やりたいことを我慢するのは、ストレスが溜まるだけである。

 それに対し後者は「そもそも趣味を見つけられていない」というもの。ここで問題になるのは「見つけようとしているのか」という点だ。趣味なんていらないと思っているのなら何も言わないが、何か仕事以外に趣味を持ちたいのであれば、ただ待っていては始まらない。趣味を見つけるために、行動する必要があるだろう。

 趣味に限らず、仕事だって同じだ。やってみたい仕事があるなら、待っていたって舞い込んでは来ない。自らつかみ取るために行動していかなければいけないのだ。

嫌いだった読書が趣味になったワケ

 かくいう私の趣味の1つは、読書である。読書なんて月並みかもしれないが、これでも年間100冊くらいは本を読んでいるのだから趣味と言って良いだろう。ビジネス関連が中心ではあるが、たまには小説やエッセイも読む。

 しかし実家でそんな話をすれば、家族はきっと信じられないだろう。それくらい、私は読書が嫌いだった。これは小学校のころからずっとだが、夏休みの読書感想文なんて文末の「まとめ」だけを読んで書くような子供だったのだ。読み始めたところで、1〜2ページめくれば飽きてしまうのが目に見えている。やがて私の頭の中から「本を読む」行為そのものが消え去っていた。

 そんな私が読書を趣味と言えるレベルにまでなったのは、大学浪人で新聞配達をしていたころだった。仙台に住んでいた私は、浪人中まで金銭的に親へ負担を掛けたくないと思い、単身東京へ新聞奨学生として上京した。朝は4時に起きて朝刊を配り、10時ごろから予備校へ通って16時には夕刊を配る。多少遊びもしたけれど、新聞配達と勉強だけの毎日だった。

 そんなある日、夕刊を配り終わった帰り道にある書店で1冊の本を手に取った。「800」(川島誠著)という800メートルランナーの学生を題材とした恋愛小説だった。私は大学まで陸上競技部に所属しており、高校では大会で800メートル走にも出場した。そのため、どこかに「本は読まないんだよね」という気持ちがありながらも、なんとなくその本に興味を持って購入したのだ。

 内容は正直あまり覚えていないが、スピード感があってグイグイ読めたのは記憶している。読み終わったときに、

 「本って、結構面白いじゃん」

 と感じた。これが読書が趣味になるスタート地点だった。それからは月1冊の本を買って、勉強の合間に読むのを楽しみにしていた。やがて大学生になり、社会人となって今に至るまで、読む本の内容と量は変わりながらも、読書は私の大切な趣味の1つとなっている。ほかにもスポーツをしたり、映画を観るのも趣味だ。いずれもキッカケは「面白そうだからやってみた」「面白そうだから観てみた」ことから始まっている。

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