吉本芸人に学ぶ「上司、先輩のリスペクト」精神カラテカ入江の「後輩力」(3/4 ページ)

» 2012年09月18日 11時30分 公開
[カラテカ・入江慎也,Business Media 誠]

先輩の時間を奪わない

 人は忘れる生き物と言いますが、すぐに何でも忘れてしまうのはやはりNGです。上司や先輩に何度も同じことを注意されてしまう人は、相手の時間を無駄に使わせてしまっている意識を持たないといけないと思うんです。

 例えば、先輩に仕事について教えてもらったとき。仕事へのアドバイスや、やり方などいろいろと聞いたのに、すっかり忘れてしまって、また同じことを聞きに行く。上司から一度注意されたことを、何度も繰り返してしまう。こういう人は、きっと先輩や上司から「時間泥棒」と思われているはずです。

 僕はスケジュールや頼まれごとは、手帳やケータイに必ずメモを取るようにしています。これだけで大分忘れないようになりました。

先輩の近くに住む!

 相手の時間をうばわない方法の1つとして、僕は「先輩の近くに住むこと」を心掛けてきました。先輩の近くのエリアに住むと、実は先輩の時間を節約できるんです。先輩から呼び出されたら待たせることなくすぐに合流できますし、飲んだ帰りに先輩にタクシーで送ってもらうときに、遠回りをさせてしまうこともありません。

 また、家が遠いだけで「あいつ誘いたいけど、遠いからなあ」と選択肢からもれてしまい、出会いのチャンスを失っていることも。本当にもったいないことです。呼んでもらった会で何があるか分かりませんから。ぼく自身、実家のある小平から、先輩たちが暮らしている明大前、渋谷と引っ越して人間関係が広がっていきました。

 「あいつは小平だから誘わないようにしよう」と思っていた先輩が、「そんなに近くにいるなら飲もうよ」と誘ってくれるようになりました。遠くから通っていた時間がもったいなかったと思います。

道案内がうまい人、ヘタな人

 できる後輩は、相手の時間をうばわないから、アクセスを説明するのも上手です。「あの店まではどうやって行ったらいいんだっけ?」と聞かれたときに、「えー、駅を出て、真っすぐ行って、大体2〜3分歩いたら……」なんてあやふやなことは言わず、簡潔で分かりやすい道案内ができます。

 「スタバを右に」ではなく「スタバを背にして右に」、「交差点を左へ」ではなく「交差点を六本木方面へ」。誰が聞いてもきちんと理解できるように説明できる後輩は、ダラダラ話す後輩とは違って、相手の時間を無駄にしないから、先輩からも信頼されます。

 昔アルバイトをしていたときのこと。昼ごはんを先輩と食べに行きました。休憩時間が40分くらいしかなかったので、先輩はお店に入ると「一番早くできる定食くだ

さい!」って注文したんです。なのに一緒に行った僕は「どうしようかなあ」なんて、メニューをのんびり見ながら悩んでいました。そして、よりによって時間がかかりそうなものを注文したんです。結局、時間ギリギリで走って現場に戻りました。

 そのときのぼくは、自分の置かれた状況を判断できていないし、相手の気持ちも考えてなかったのです。結局、相手の時間をうばってしまい、さらに「気遣いのできない人」というらく印を押されてしまったわけです。

 それと、絶対に避けたいのが「遅刻」です。以前聞いたことがあるのですが、アメリカの大学による調査で「約束を守らないこと」を「許せない」と思っている人は、全体の90%以上もいたそうです。

 遅刻だけでなく、頼まれたことの納期に遅れないとか、約束を守ることは、社会人としての最低の礼儀です。遅刻してしまったときには、まず心から謝ってください。何か失敗したときもそうですが、最初にしっかり謝ることが大前提です。

 後輩が本気で謝れば、よほどのことでないかぎり、先輩もしつこくは怒りません。怒るほど距離ができてしまい、仕事に影響してしまうことは、先輩も分かっているはずですから。

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