毎日1%、小さな改善が生活の一部いつでも最高の結果を出せる人の10の習慣

一度備わった知的生産力は、一度獲得してしまえば下がることはありません。成功する人は自分自身の知的生産性を常に向上しています。その努力が、激しい競争での中で「ここぞ」という時にものを言うのです。

» 2012年09月19日 09時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 日本人は「改善」が大の得意です。トヨタに代表される絶え間ない改善による生産性の向上哲学は、そのまま「Kaizen(カイゼン)」という言葉で諸外国の生産管理者に強い影響を与えてきました。

 改善は工場の生産性向上のためのものでしたが、今や、仕事や勉強などの知的生産活動においても、この哲学が大変重要な時代になっていると思います。

 21世紀は自分の知的生産性を自分で高めていかなければ勝負できない時代です。グローバル化した今、インターネットでリアルタイムにつながる世界中の労働者と競争しなければならない。そんな時代において、アテにできるのは自分の知的生産性だけです。

知的生産力の改善は、「複利計算」

 例えば、改善活動の基本となるビジネスフレームワーク(考え方の枠組)に「PDCA」があります。これはPlan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Act(見直し)のプロセスを何度も循環させて、まさに物事を改善していく手法です。

 成功する人は自分自身の知的生産性に対して、常にこのPDCAを回しています。つまり、常に学習し、昨日より少しでも速く、正しい判断ができるように鍛錬しているのです。

 その改善幅は小さいかもしれません。1%程度かもしれません。それでも、いったん人に備わった知的生産力は、一度獲得してしまえば下がることはありません。それどころか複利計算の利息のように、日々膨らむものなのです。

 翌日の生産性は1.01倍ですが、72日後には2倍、そして1年後には知的生産性は約37.8倍まで上昇。これが日々コツコツ続ける力のすごいところです。

 最終的に成功する人は、成功すべくして成功していると言えるでしょう。つまり、できる人は自身の持つ知力が複利で増えるものだと正しく認識しており、それに対して、絶え間ない改善を加えているということなのです。

「1日1改善」を徹底する

 小さな改善の積み重ねをバカにする人もいます。短期的に見れば、さほどたいしたことに思えないからです。しかし小さな知的生産力の改善は、期間が長くなるほど有利になってくるもの。人生の数十年という期間においては、ほぼ確実に大きな果実を得ることができるはずです。

 仕事で他人と比べることは、あまり意味がありません。あくまでもライバルは「昨日の自分」。昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分が、1%でもいいから前進していること。これが一生続くビジネス人生の中でもっとも重要なポイントです。


著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)、『ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術』(中経出版)、『人生の大問題を図解する!』(光文社)がある。

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