上司が部下に言ってはいけない、10のセリフ新連載・若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門(3/5 ページ)

» 2012年10月04日 11時00分 公開
[吉田実,Business Media 誠]

課長の9割は自身の能力に満足していない

 日本生産性本部の調査によると、課長の92%が自身の能力に満足していない。また、部下の育成においては、65%の課長が自信がないと回答している。自分の力に自信を持てず、戸惑う課長像が浮かび上がってくる。

日本生産性本部「日本の課長と一般社員 職場のコミュニケーションに関する意識調査」より

 前述のとおり、もはや、課長はマネジメント専任でいられる時代ではない。自らがプレイヤーとして成果を出しながらも、「上司力」を発揮することで、部下が成長する環境を創っていかなければならない。

 従来の人材育成の枠組みにおいては、管理職になったときに、新任管理職研修を受けることが一般的であり、そこで管理職の役割や部下に対する接し方を学び、課長に求められる「管理」方法を学んでいた。しかしながら、求められる役割が「管理」ではなく「上司力」であるならば、このような研修では「上司力」は身に付かない。

「自信のない上司」にならないために 若手のうちに上司力を鍛えろ

 課長に求められていることが「部下を管理する」ことから、「部下が育つ環境を創る」ことへと変化している。管理手法を学べば、課長が務まる時代ではない。上司力こそが必要とされる能力なのだ。そして、この上司力は、課長になってすぐに身に着く能力ではない。若手のうちから学び続けることが大切な能力なのである。課長になってから学ぼうとしても手遅れなのだ。

 上司力として求められる具体的な力は、連載を通じて紹介していくが、この上司力を鍛えることが若手社員において重要なことである。

 人によっては「自分は管理職になりたくないから自分には関係がない」と思う人もいるかもしれない。実は、この上司力は、上司にならなくても役に立つ能力である。上司力があれば、あなたの周りに人が集まり、あなたの仕事をサポートする人が増えることになる。これからの時代においては、仕事が高度化するため、自分ひとりの力だけで大きな成果を出すことは難しくなるだろう。そのようなとき、あなたのために、人が動いてくれる力、それが、上司力なのである。

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