上司力とはどのようなチカラなのか? 3つの要素を紹介する若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門(4/4 ページ)

» 2012年11月01日 11時00分 公開
[吉田実,Business Media 誠]
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見せかけコミュニケーションは通用しない

 3つ目の力は「対話力」だ。第2回でお伝えした「成長ブレーキ」は、誰もが持っているものであるが、この多くは、「言いたいけれども言わない」ことが、ブレーキを強固なものに変えていく。「ブレーキ」かけさせない場づくりをする力が、必要とされてくるのだ。

 職場では、必要最低限の業務報告がされるだけで、表面的な会話がなされるだけ。本音を話すこともなく、むしろ、本音を悟られないように、表情を変えない訓練をしているかのような職場は広がっている。

 このような職場で、働いている人がその人らしさを発揮し、自分の力を最大限に生かすことは難しい。働いている人の心が躍り、本気で仕事に取り組める職場を創る力が求められてくる。

 その重要なキーワードは「本音」である。思っていることをお互いに共有することが大事である。そして、自らも本音で話すことができ、本音で話せる場を創ることができる力が、「対話力」である。

 最近、職場で対話をすることを促進しているケースもあるが、若手だけで行うと、愚痴大会になっている場合が多い。また、愚痴大会を阻止しようと、管理者が入った瞬間に本音で話せない場になってしまう。このような状況になっている背景には、お互いのことをよく知らないことがあげられる。お互いのことを知らない状態で、いきなり、本音で話しましょうと言っても、なかなか話せるものではなく、職場の愚痴になるのも当然である。まず、大切なことは、お互いに関心を持ち、お互いを知ることだ。

 対話力の上で大切なことは、まずは自分から開示することである。自分が大切にしていること、自分が苦労してきたことなどを共有するだけで、お互いの連帯感が強まってくる。自分の想いや弱点なども含めて、相手に伝えることで、あなたの周りの場が変わってくる。それが、結果的に、人があなたの周りに集まるようになり、人を巻き込むことにつながっていくのである。

 今回は、上司力に必要な3大要素について、概略を説明させていただいた。次回以降は、それぞれの力について、さらに詳しく掘り下げていくこととしたい。

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