「過度なポジティブ思考」に疲れたとき、人はどうすればいいの?ボクの不安が「働く力」に変わるとき(3/3 ページ)

» 2012年11月07日 11時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]
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(3)この体験が将来どう役立つかを考えてみる

 目の前にあるネガティブな出来事にポジティブな意味を付けるのはなかなか難しいです。けれども、「近い将来、この体験がどんなことに役立つか」なら、比較的考えやすいです。例えば、このような問いの答えです。

「この体験が将来どう役立つか」

「この体験が将来どんな自慢になるか」

「この体験から学べることは何か」

 例えば、今、「上司からプレッシャーを受けている」としましょう。これをポジティブに捉えるのは容易ではありません。それが嫌な体験であればあるほどそうです。

 そこで、ちょっと視点を変えて「近い将来から眺めたとき、この体験がどんなことに役立つか」と考えてみます。「自分がリーダーになったときの悪いやり方を、今、学んでいる」「この体験のおかげで、自分の部下には同じ思いをさせずに済む」「その結果、自分は部下から信頼されるリーダーになる」という具合です。視点を今から未来にずらし、今の体験が未来へのフィードバックになると考えると、自然なポジティブ感がじんわりと生まれてきます。

自然と前向きな方向へ

 意識をポジティブに向けておくことはとても大切なことです。だからこそ、多くの賢者や有識者が、これまでポジティブなことの有効性を訴えられてきたのでしょう。高度経済成長期のような、イケイケドンドンの時代は、多少無理やり感があってもよかったのかもしれません。けれども、先行きが見通しにくく不安が多い現代のような時代には、無理にポジティブに考えることは難しく、逆にストレスになることがあります。

 今回ご紹介した方法で、一瞬でポジティブになれるわけではありませんが、ゆるくポジティブになることを習慣化していくことで、自分とうまく付き合えるようになっていきます。その結果、あなたの気持ちを自然と前向きな方向へと導いてくれるでしょう。

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