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» 2012年11月15日 09時00分 UPDATE

若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門:あなたの志は何ですか? 志なしリーダーの10の行動 (1/4)

リーダーシップを発揮するうえで、最も重要なポイントは何だろうか。これまで1万人以上の人材育成に携わってきた筆者によると、それは「志」だという。では、志のないリーダーはどのような行動を取るのだろうか。10の行動でまとめてみた。

[吉田実,Business Media 誠]

若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門:

 著しい労働環境の変化に振り回される昨今、上司がマネジメントに徹することは難しく、実務をこなしながら部下育成やチーム作りを行うことは、もはや当然のことになりつつある。しかし働き方が多用化する中で、影響力を発揮できる「上司力」を持つ人材は少ない。そこで本連載では「上司力入門」と題し、20〜30代前半の若手社員のうちから「上司力」を鍛える方法を、人材育成の専門家が解説する。

著者プロフィール:

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吉田実(よしだ・みのる)

株式会社シェイクの代表。

大阪大学基礎工学部卒。住友商事株式会社に入社。通信機器の営業、携帯電話を活用した新規事業立ち上げに携る。2003年シェイクに入社。営業責任者として、人材育成事業の立上げ、拡大に従事。2006年よりファシリテーターとして登壇し、実績は新入社員から若手・中堅社員、管理職層まで多岐に渡り、育成に携わった人数は1万人を超える。

2009年9月より代表取締役社長に就任。最近は、中堅社員育成の専門家として、メディアでも広く取り上げられている。2011年1月に書籍『「新・ぶら下がり社員」症候群』(東洋経済新報社)を出版。


 新入社員研修をしていると、「答え探し」をしようとする新入社員が多いことに気づく。グループワークの課題を出すと、自分の意見を出すのではなく、「このワークの落とし所はどこでしょうね」と話し出す。これは、「正解」を求めることを第一とする日本の教育の弊害の1つと言っていい。考え抜いて自分なりの解を出すことができないのは新入社員に限った話ではない。社会人になって10年以上経っている人でも、自分の頭で考え抜けていない人は多くいる。

 デンマークは、いち早く教育改革が行われたことで有名だ。正解を教えるのではなく、プロセスを自分で考えさせることを重視している。教育のゴールは、自分の人生を自分で選択する主体的な人を育てることにある。

 変化の時代、答えがない時代ほど、自分の頭で考え、自分なりに方向性を見出し、その方向に向けて、自分自身や周囲の人を導いていく力が求められてくる。上司力を高めるための1つ目は、リーダーシップである。これまで、「答え探し」や「横並び」が正しいと教育されてきた人に対して、いきなりリーダーシップを発揮することが求められるといっても、何をすればいいのか分からない。書店では、リーダーシップ本が溢れているが、例えば「リーダーシップの発揮に必要な10のポイントはこれだ!」と言われても、いきなり10の能力を開発することは困難である。

 私自身、これまで1万人以上の人材育成に携わり、リーダーシップを発揮している人を多く見てきた中で、リーダーシップを発揮することにおいて最も重要なポイントを1つに絞るとすると、それは「志」を持っていることであると言える。「志」とは「成し遂げること」である。それは、自分がどう“ありたい”かという「価値観」と、自分がどう“なりたい”かという「方向性」とが含まれるものである。

 価値観と方向性が明確な人はぶれない。志は、リーダーシップの原動力になるのだ。変化の激しい時代であるからこそ、変化や目の前の事象に一喜一憂するのではなく、その変化を柔軟に捉えながら、ぶれずに、一貫性を持って行動することこそが、リーダーシップを発揮する上で最も重要なポイントである。

 間違わないでいただきたいことは、志を持っているリーダーが「答え」を持っているワケではないということだ。未来を明確に描いているワケでもない。ぶれない軸を持っているがゆえに、周りに人が集まり、一緒に働く人が安心して働くことができるのである。カリスマリーダーのもとに、人がついていくイメージというよりは、ぶれない軸を持ったリーダーの下で、周りの人が安心して、リーダーシップを発揮していくのである。周囲のメンバーのリーダーシップを発揮させるリーダーシップと言ってもいいかもしれない。「志」を持ち、志を軸にしたリーダーシップを、「志」リーダーシップと呼んでいる。

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