「HP Officejet 150 Mobile AiO」を使ってみた――プリント/コピー/スキャンをまとめたモバイル複合機仕事耕具(2/3 ページ)

» 2012年12月11日 10時20分 公開
[山口真弘,Business Media 誠]
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片面のスキャン機能を搭載、PC以外にUSBメモリなどへの保存も可能

給紙口は本体天板にある。いい意味であまり目立たない。原稿は下向きにセットする
右は給紙口に原稿をセットしたところ。ここから本体の奥に向かって送られる
スキャンの設定画面。カラー設定、保存先、ファイルタイプなどの設定が可能。斜行補正などの機能はないようだ

 では各機能を順に見ていこう。本製品ではどこに原稿をセットするのか、用紙はどこに入れるのかが外観だけでは分かりにくいので、それらも含めてチェックしていく。

 まずはスキャン機能。読み取りは片面のみ、傾き補正などの各種補正機能は搭載されていないが、基本的なスキャン機能はひととおり揃っており、白紙削除やシャープネスのオンオフ、さらにはOCR機能まで搭載している。

 センサーはCIS、解像度は最大600dpiとなっており、PC以外にUSBメモリなどへの保存も可能となっている。ファイルタイプはPDFもしくはJPGで、PCに保存する場合はビットマップやPNGなども選択できる。スキャン完了後に保存先のフォルダを自動的に開くといった機能もあるなど、なかなかの高機能ぶりだ。

 原稿は、本体天板に重ね合わせるようにして下向きにセットする。スキャンを実行するとコントロールパネルの下をくぐって奥に原稿が送られ、給紙トレイに覆いかぶさるように排出される。完全に排出されると、用紙トレイに直立する格好になる。本体サイズの制限もあってか、やや特殊なギミックだ。詳しくは以下の動画で挙動を確認してほしい。

 速度については、現行のドキュメントスキャナほど速くはないが、それほど大きくストレスが溜まるレベルではない。ただし両面ではなく片面読み取りで、また1枚ずつしかセットできないので、大量の原稿を読み取る場合はそこそこ手間がかかる。基本的には少枚数のスキャン用途ということになるだろう。また、カードのような厚みのある原稿の読み取りには対応しない。


解像度はデフォルトでは200dpi。最大で600dpiまで変更することも可能だが、ドキュメントの読み取りであればこれで十分だろう。白紙ページ削除、シャープネス、OCRのオンオフもここで。PDFとJPGのほか、ビットマップやPNGなどさまざまなファイルタイプに対応

こちらは本体のコントロールパネルで設定した場合の画面。まずは保存先を選択する。ファイルタイプおよび解像度、および濃度を設定できる

ファイルタイプはPDFとJPGのどちらかのみ、解像度は300dpiと600dpiのどちらかを選択できる。ちなみに読み取り速度は変わらない

スキャン機能を利用してスキャンを実行する様子。原稿は天板上にセットする。読み取られた原稿は給紙トレイの前面に覆いかぶさるように排出

PCと接続しての印刷はもちろん、メモリカード内のデータも印刷可能

印刷された用紙は本体正面にある排紙スロットから排出される。ちなみにこの排紙ドアはプリンタ機能の利用時に自動的に手前に倒れて開く
用紙をセットした状態。最大50枚の用紙をセットできるとされる
印刷設定画面。印刷にまつわる一般的な設定項目が用意されている。チェックを入れるだけでグレースケールで印刷できるのは便利だ

 続いてプリント機能。インクジェット方式での印刷が可能だ。用紙は本体背面のトレイにセットし、本体前面から排出される。スキャン機能と異なり、きわめてオーソドックスなギミックだ。

 給紙トレイには50枚の用紙をセットできる。据置タイプのインクジェット複合機では100枚程度が標準なので、モバイルユースである点も加味して考えるとそこそこの量である。ちなみにフォト用紙ではセット可能枚数は5枚、封筒だと3枚とされている。

 速度についてはモノクロが毎分約5枚、カラーが同約3.5枚だ。ビジネスユースでよく使うタイプの見積書をA4カラーでPCから印刷を実行したところ、33秒かかった。詳細は動画をご覧いただきたいが、じゅうぶん実用的なスピードという印象である。なおフチなし印刷も対応するが、これは普通紙では有効にならず、特定のフォト用紙を設定した場合のみ有効になる。

 このほか、メモリカードやUSBメモリ内の画像を本体コントロールパネルから選んでプリントしたり、またBluetoothで携帯電話などから印刷することもできるなど、機能はかなり多彩だ。昨今の据置タイプのインクジェット複合機と比較した場合、両面印刷に対応しないのが若干ネックになるくらいだろうか。動作音がそこそこ静かなのもいい。

 プリンタ関連で特筆すべきなのは、インクカートリッジが専用品ではなく、同社の他のプリンタでも使われている汎用タイプを採用していること。こうした特殊な製品では、オプションも専用品を採用しており、結果的にコストパフォーマンスの低下につながっている製品も多いが、本製品ではこうした点もしっかりおさえた設計になっているのは嬉しい限りだ。ただ、このことがボディの厚みの増加につながっているのもまた事実で、一長一短という感はある。


インクカートリッジは本製品の専用品ではなく、ほかのプリンタにも使われている汎用カートリッジが利用できる。インクカートリッジは本体天板をあけた中にセットする

メモリカードもしくはUSBメモリ内にある画像を印刷することもできる。まずはこれらデバイスを接続する。デバイス内の画像ファイルを選択したのち、印刷枚数を指定する

用紙の種類やサイズを指定する。2丁付けや4丁付けでの印刷も可能

プリント機能を利用して印刷する様子。給紙トレイに紙をセットし、前面から排出されるというかなり一般的な仕様

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